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『結婚さえできればいいと思っていたけど』 水谷さるころ 【日刊マンガガイド】

2016/11/24


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『結婚さえできればいいと思っていたけど』


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『結婚さえできればいいと思っていたけど』
水谷さるころ 幻冬舎 ¥1,000+税
(2016年10月27日発売)


30歳で結婚したものの、3年半で離婚、のち事実婚の道を選んだ著者のアラサー10年記録である。
この著者とは、フリーのイラストレーター水谷さるころであり、事実婚のお相手は「ノダD」さん。同著者出演のテレビ番組をもとにした『30日間世界一周!』シリーズにも登場するあの人なのである。

「なぜ結婚できないの!?」と七転八倒する独身アラサーの姿は、たびたびマンガのネタになるが、著者はそれを回避すべく(わりあい理知的に)行動した結果、相手の価値観との相違を感じ離婚、のちに「自分は法律婚に向かなかったのではないか」と気づく。
また、事実婚というかたちを視野に入れると、ナシだった相手もアリになる、との経験談が興味深い。

この手のパターンとして、元パートナーを徹底否定、現パートナーをひたすら持ち上げる、といった流れになるエッセイも少なくないが、挫折を機に自身の「思い上がり」への反省や、養育費支払中のバツイチ男・ノダDさんへ感じた不安と解消法なども率直に描かれ、信頼に足る。

男女平等との教育や法律はあるものの、想像以上に結婚はシステムとして面倒で、働く女性が損をする部分もある。
そのうえ、既婚女性に対する「ダンナさんの稼ぎがメインになる」「結婚前より仕事を控えるべきだ」という世間の目は、旧態依然としてあり続けるのだ。
さらに、女性も自分自身が作り出した「いい奥さん」の幻影に縛られることも……。

ひとりでも食べていける収入があり、家事能力も高い著者のケースなので、だれにでもおすすめできるかたちではないかもしれないが(弱者にとっては、法律婚は自分を守るものという面もある)、「結婚=幸せ」を盲信してはならないことを具体的に知っておいて損はないだろう。
婚活中ならば、男女ともに必読の書だ。



<文・和智永 妙>
「このマンガがすごい!」本誌やほかWeb記事などを手がけるライター、たまに編集ですが、しばらくは地方創生にかかわる家族に従い、伊豆修善寺での男児育てに時間を割いております。

単行本情報

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