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12月21日はディズニーアニメ『白雪姫』が劇場公開された日 『魔法少女育成計画F2P』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/12/21


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

12月21日は『白雪姫』が公開された日。本日読むべきマンガは……。


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『このマンガがすごい! comics 魔法少女育成計画F2P』 第1巻
遠藤浅蜊(作) 柚木涼太(画) マルイノ(キャラクター原案) 宝島社 ¥640+税


ディズニーの長編アニメ映画第1作目にしてカラー長編アニメ映画の世界的さきがけとなった名作『Snow White and the Seven Dwarfs』こと『白雪姫』。
その公開日が、今から79年前のきょう、12月21日である。

グリム童話という古典に基づきながら、今やディズニー版それ自体もひとつの古典として様々な分野に影響を与えているのはみなさまご存じのとおり。
「白雪姫」とだけいった場合、童話を念頭に置きつつディズニー映画の図像で思い浮かべるという、両方をまたいだ認識に置かれることも珍しくないだろう。

ごく最近でいえば、ほかならぬ「このマンガがすごい!」でおなじみ宝島社がライトノベル分野のレーベルで刊行している小説『魔法少女育成計画』の主人公が「スノーホワイト」。
そう、これも白雪姫にちなんだものだ。

魔法少女を題材とするソーシャルゲームが、じつは現実の少女(……いや、少女とはかぎらない!)を魔法少女としてスカウトするための窓口で、変身ヒロインになって人助けができると思いきや命がけのバトルロイヤルにルール変更されてさあたいへん、というのが『魔法少女育成計画』1作目の大筋。
過酷な運命にさらされるスノーホワイトは、戦闘狂や、殺しすらいとわぬ策士も入り乱れる極俗な残酷劇の渦中で、なおも純朴な精神を持ち続けることによりむしろメルヘンの香りを力強くただよわせている。
そこに“白雪姫”がイメージソースとして作用するのをみることは可能だろう。

さて、当「このマンガがすごい!WEB」では、そんな『まほいく』の外伝マンガ『魔法少女育成計画F2P』が連載中。現在単行本第1巻も発売されている。
原作者・遠藤浅蜊氏がストーリーを書き下ろし、キャラ原案を原作イラスト担当のマルイノ氏が手がけることで世界観を本編としっかりすりあわせ、漫画家・柚木涼太氏の繊細な筆致がそれをうまくビジュアル化して、本編ファンにもうれしいスピンオフが実現している。

描かれるのは、魔法少女の選抜を行い世界の秩序を管理する「魔法の国」と、なんらかの事情で体制に反旗をひるがえすレジスタンスとなった魔法少女の一団との戦いである。
ひとつの都市を覆う強固な結界をはさんで繰り広げられる情報戦や、本編に負けず劣らずバラエティ豊かな固有魔法を持つヒロインたちのバトルが見どころだ。

こちらにはスノーホワイトは登場していないのだが、物語のキーとなる魔法が「人の死をキャンセルできる」ものだとされている点でとてもメルヘンチックであり、何より、死者蘇生のモチーフが入る『白雪姫』に間接的な連想をとばすことができるのがおもしろい。



<文・宮本直毅>
ライター。アニメやマンガ、あと成人向けゲームについて寄稿する機会が多いです。著書にアダルトゲーム30年の歴史をまとめた『エロゲー文化研究概論』(総合科学出版)。『プリキュア』はSS、フレッシュ、ドキドキを愛好。
Twitter:@miyamo_7

単行本情報

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