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『NKJK』 第2巻 吉沢緑時 【日刊マンガガイド】

2017/01/08


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『NKJK』


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『NKJK』 第2巻
吉沢緑時 双葉社 ¥620+税
(2016年12月12日発売)


「NKJK」とは「ナチュラルキラー女子高生」の略。
お嬢様学校に通う西宝さん。幼なじみの富士矢さん。
ある日富士矢さんは、大量の喀血をして病院に運ばれた。
難病だった。治す方法があるかもわからない。

ただ、人が笑う時に活性化する「NK(ナチュラルキラー)細胞」なら、回復に向かう可能性が、少しあがるらしい。
まったくお笑い経験なんてない西宝。あらゆる笑いに関する動画や本を調べ、論理的に「笑い」を考えていく。 タブレットにはびっちりと、笑いのネタのバリエーションが。
「ノリツッコミ」「ドッキリ」「仮装」「落語」「リアクション芸」。
彼女は、ひとつずつ富士矢のいる病室でチャレンジする。

1話ごとに「笑い」をためす、いちおうはギャグマンガだ。
天然な西宝が彼女の病室でネタを披露する。
入院している富士矢は、西宝のギャグお見舞で、たくさん笑った。
その笑顔を見て、西宝は、ポロポロと涙を流す。

ひとりでは、ネタも精神も限界になってきた西宝に、助っ人も訪れる。
笑いにくわしい入院患者の少女・榎本。
事情を知った友人の、甲斐と壇。
強力な味方がついて、気合を入れ直す西宝。しかしさらに激しく血を吐いて悪化してしまった富士矢のことを知り、西宝の落ちこみは加速する。

病人のいる部屋でふざけるのは、正直気がひける。
笑わせれば笑わせるほど、辛くなる。
特に第2巻では、西宝が再起不能になるような出来事が起きてしまい、どんなにネタを披露しても空回りしかしない。

しかしながら入院中、「不謹慎」といってはれものに触るような距離感を持たれるのは、本当につらい。
いっしょにいて、幸せそうな顔で、馬鹿やってくれる友人の思いやりの、どれだけあたたかいことか。

西宝は決して心が強い子じゃない。いつも心が折れて、泣き続けてしまう。
病人も、いわゆる「健常者」も、心に関しては関係ない。みんなつらいのだ。

著者が心から伝えたかったネタのひとつは、おそらく第1巻ラストの「不謹慎・差別ネタ」だろう。
そして、完結第2巻のラストシーン。
とてもこっけいで、くだらなくて、どうしようもなくおバカな西宝。

クスッとして、泣けてしまう。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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