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『海王ダンテ』 第2巻 泉福朗(作) 皆川亮二(画) 【日刊マンガガイド】

2017/01/24


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『海王ダンテ』


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『海王ダンテ』 第2巻
泉福朗(作) 皆川亮二(画) 小学館 ¥630+税
(2017年1月12日発売)


『海王ダンテ』は、『スプリガン』『ARMS』と少年マンガの王道を行くアクションマンガを生み出してきた皆川亮二の新シリーズ。

舞台は18世紀、イギリスが海路の開発と植民地拡大に乗り出した時代。
世界を構成する粒子を操る「魔導器」と、世界のすべての理(ことわり)が書かれた「要素(エレメント)」という体ほどの大きな本を持つ少年ダンテが活躍する、海洋異能アクションだ。

第1巻では、幼なじみの少女を救うため、死者を蘇生させる本「生命(ライフ)」を求めて北極点に向かったダンテ。第2巻では大英帝国海軍に入り、戦艦に配属されたダンテが100年前に絞首刑にされたはずの海賊キャプテン・キッドとインドで対決する!?

冷静で万能な主人公と彼のもとに集まってくる個性的で熱い仲間たち、そして卑劣な敵に、暗躍する黒幕……。人物配置は皆川節とでもいおうか、まさにワクワクする少年向け冒険活劇。
そこに異能バトル、オーパーツ、海洋冒険、ゾンビと盛りだくさんの要素が絡んでくる。

第1巻のラストで明かされたダンテのフルネームは「ダンテ・ホレイショ・ネルソン」。
ナポレオンの手からイギリスを救った実在の海の英雄・ネルソン提督と同じ。
あらゆるものが設計できる異能を手に入れたダンテの幼なじみの名前は「ナポリオ・ボナパルト」だ。
第2巻の最後には、歴史に名を残す古代スカンディナビアの女海賊アルビダも顔を見せる。
虚実が入り混じった偉人ものの側面も読みどころになりそうだ。



<文・卯月鮎>
書評家・ゲームコラムニスト。週刊誌や専門誌で書評、ゲーム紹介記事を手掛ける。現在は「S-Fマガジン」(早川書房)でファンタジー時評、「かつくら」でライトノベル時評を連載中。
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単行本情報

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