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【日刊マンガガイド】『貸本版 墓場鬼太郎』第1巻 水木しげる

2014/08/21


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『貸本版 墓場鬼太郎』第1巻
水木しげる 講談社 \2100+税
(2014年8月1日発売)


『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』『河童の三平』など数多くの代表作で知られ、幅広いファンをもつ水木しげる。
氏の半世紀以上にわたる偉業の集大成として刊行中の『水木しげる漫画大全集』のなかでも、本書はもっとも気になる存在であり、また手に取りやすい1冊ではないだろうか。

2008年にテレビアニメ化された本作『墓場鬼太郎』は、1960年に雑誌「妖奇伝」に掲載された、初の鬼太郎の物語である。(水木氏が紙芝居作家時代に発表した現存しない作品を除く)

幽霊一族最後の末裔として墓場で生まれた鬼太郎は、言わずと知れた国民的キャラクター・ゲゲゲの鬼太郎の原点であるが、子どもに親しまれるヒーローとは一線を画すダークな主人公だ。かたわらには、そんなわが子の行く末を見守らんと、目玉ひとつで生きながらえる不気味な目玉おやじ。
人間社会の隅っこでひっそりと暮らす2人に、文字どおり奇っ怪な、世にも不思議な出来事が起こる。

鬼太郎を育てた人間の恐ろしい末路、鬼太郎の魂を盗んだある存在、ご存じねずみ男の登場……。
その詳細は、ぜひご自身の目でたしかめていただきたい。
物語は非常にテンポよく進められ、読者の意表を突く展開の連続で、ページをめくる手が止まらなくなる。また、水木氏の圧倒的な画力、美しいカラーイラスト、次々と登場する不気味かつ魅力あるキャラクターたちが、発表から50年以上経った今もまったく色あせず、読み手を興奮させる。

なお、本全集は第1期33巻に続き、2015年2月より第2期35巻の配本が決定。各地で版画展などのイベントも開催されている。
まずは鬼太郎の誕生を目の当たりにする本書を手にとってみれば、またたく間に虜となり、ほかの巻にも手が伸びること請け合い。その時は素直に、この不気味でおどろおどろしく、それでいて魅力あふれる奇怪なる物語と水木しげるワールドを、あますことなく堪能してもらいたい。



<文・藤咲茂(東京03製作)>
美酒佳肴、マンガ、ガンダム、日本国と陸海空自衛隊をこよなく愛し、なんとなくそれらをメシのタネにふらふらと生きる編集ライター。

単行本情報

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