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3月3日は「耳の日」 『聲の形』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/03/03


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

3月3日は「耳の日。本日読むべきマンガは……。


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『聲の形』 第1巻
大今良時 講談社 ¥429+税


3月3日といえば、ひな祭りと並んで有名なのが耳の日。日本耳鼻咽喉科学会の提案により、1956年に制定された歴史ある記念日だ。

もともとは「難聴と言語障害を持つ人々の悩みを少しでも解決したい」という、社会福祉への願いから始められたものだが、現在では健康な耳を維持することの大切さや、耳への障害全般に関して興味を持ってもらうための記念日となっている。

そんな耳の日に読んでほしいのが、『このマンガがすごい!2015』のオトコ編で第1位に輝いた大今良時の『聲の形』。昨年公開された映画版もスマッシュヒットを飛ばしたのは記憶に新しい。

ただし、本作は吉本浩二の『淋しいのはアンタだけじゃない』のように聴覚障がいについて深く掘り下げた作品ではない。先天性の聴覚障がいを持つ少女を軸にして、友だちや家族といった普遍的な関係性を多面的に描いていく人間ドラマだ。

どこにでもいるヤンチャな男子小学生だった石田将也が、聴覚障がいを持つ転校生・西宮硝子にちょっかいを出し始め、やがて苛烈なイジメにエスカレートしていく壮絶な幕開けから、高校生になって2人が再会し、少しずつ心を通わせていくさまが丁寧に紡がれていく。

本作がすごいのは、けっして一方的な贖罪物語にせず、イジメの首謀者、加担者、傍観者、そしてイジめのターゲットになっていた本人の心の揺らぎを捉え、その想いをぶつける機会をちゃんと与えているところ。
やがて登場人物たちはみな、友達の、親兄弟の、心の声に耳をすまし始める。そして、その時こそ本当の人間関係が構築されることを知るのだ。

全7巻を読み終えた時、すべての登場人物が愛おしくなり、胸がしめつけられ、深い余韻が残る。「そういや最近、心の声が聴こえにくくなっているなぁ」と感じたアナタ、そんなアナタにぜひとも手にとってほしい逸品だ。



<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。

単行本情報

  • 『聲の形』 第1巻 Amazonで購入
  • 『聲の形』 第7巻 Amazonで購入
  • 『不滅のあなたへ』 第1巻 Amazonで購入

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