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3月11日は「ジャイアントパンダ」の存在が確認された日 『らんま1/2』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/03/11


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

3月11日はジャイアントパンダの存在が発見された日。本日読むべきマンガは……。


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『少年サンデーコミックススペシャル らんま1/2』 第1巻
高橋留美子 小学館 ¥824+税


1869年3月11日、フランスの宣教師で博物学者でもあるアルマン・ダヴィドは中国とチベットの境界、現在の四川省で地元の猟師が所有する奇妙な毛皮に目をとめた。
その毛皮はまるで染色したかのような白と黒のはっきりしたツートンカラー! つまりこの日、彼は欧米人としては史上初めて「パンダ(ジャイアントパンダ)」の存在を知ったというわけ。

まさに神の造形物というべき愛くるしさで、パンダは1972年に来日、爆発的ブームとなって以降、日本で様々なマンガに登場している。
なかでも有名なのは高橋留美子の『らんま1/2』に出てくる主人公・早乙女乱馬の父・玄馬(げんま)だろう。

実戦格闘技「無差別格闘早乙女流」の開祖で、息子とともに中国へ武者修行に行った際、溺れると最初にその泉で溺れた者の姿となる「呪泉郷」の呪いを受け、いらい玄馬は水をかぶるとパンダになってしまう異常体質になってしまう。
格闘家でありながら性格はちゃらんぽらんで意地汚く、本作で乱馬に襲いかかるトラブルはだいたいこの親父のテキトーな性格が原因であるといっても過言ではない。

サンデーギャグラブコメの黄金期を築きあげた著者の代表作『うる星やつら』のDNAを継承したテンポのよさとギャグセンスは今見てもまったく色あせない。むしろ画力的には高いクオリティで安定しているため、読み心地においては本作に軍配を上げる人も多いのではないだろうか?

ちなみにアルマン・ダヴィドは中国における博物学調査の過程で「シフゾウ」も発見、ヨーロッパに紹介している。
角を持つがシカではない、蹄を持てどもウシでない。顔はウマのようでウマでない、尾はロバのようだがロバではない……4つの動物の特徴を持ちながらそのどれでもないこの不可思議動物は20世紀初頭に絶滅したかに思われたが、ダヴィドがヨーロッパに持ち帰った個体が奇跡的に生存していたおかげで再度繁殖・野生に戻し“復活”したという逸話が残っている。
絶滅したはずの生物が生き残っていたといケースは歴史的にも非常にまれなことだと思う。人間ってすごーい!!

近代博物学が未来に残した功績をどうか記憶の片隅にとどめておいてほしい。



<文・富士見大>
編集・ライター。

単行本情報

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