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【スペシャル対談!】『ドラゴン桜』『インベスターZ 』の漫画家・三田紀房×実業家・大城太  ビジネスの本質が見えてくる? ゲーム脳と部活社会で未来を切り開け!

2017/05/26


世界中で成功している華僑のコミュニケーションのうまさを説いた新しい著書『「華僑」だけが知っている お金と運に好かれる人、一生好かれない人』を上梓した大城太さん。「投資部」に所属する中学生が学園の運営費を稼ぎ出す『インベスターZ』の作者・三田紀房先生と、日本で成功するビジネスの本質について語っていただいた。

\『インベスターZ』の財前に目が引くオビが目印です!/ okanetounnisukareru_s01

『「華僑」だけが知っている お金と運に好かれる人、一生好かれない人』
大城太 宝島社 \1300+税
(2017年5月26日発売)

漫画家:三田紀房

1958年生まれ、岩手県北上市出身。明治大学政治経済学部卒業。
代表作に『ドラゴン桜』『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』(ともに講談社)、『クロカン』(日本文芸社)、『砂の栄冠』(講談社)など。
『ドラゴン桜』(講談社)で2005年第29回講談社漫画賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。
現在、講談社「モーニング」「週刊Dモーニング」にて“投資”をテーマにした『インベスターZ』を、講談社「月刊ヤングマガジン」にて『アルキメデスの大戦
』を連載中。

実業家:大城太

1975年生まれ。大学卒業後、外資系金融機関、医療機器メーカーを経て、華僑の大物と言われる人物に師事。起業1年目でアルバイトと2人で年商1億ビジネスを作成。
現在、医療機器メーカーなど国内外6社の代表を務める傍ら、ベンチャー投資や不動産投資などをしているビジネスオーナー。主な著書に 『世界最強! 華僑のお金術』(集英社)、『華僑の起業ノート』(日本実業出版社)、『華僑の大富豪が教えてくれた「中国古典」勝者のずるい戦略』(三笠書房)など。

人間の本質を突け!

大城 華僑は「ユダヤか華僑か」といわれるくらい、お金儲けが上手というイメージがあると思います。新しい著書にも書いていますが、華僑がお金儲け上手なのは、人間関係のコミュニケーションが上手であるということに尽きるんです。私はビジネスのために華僑に弟子入りしましたが、日本語が上手とはいえない彼らが、コミュニケーションの力でビジネスをうまくやっていくんです。じつは『「華僑」だけが知っているお金と運に好かれる人、一生好かれない人』は、“私の華僑シリーズ”の著書6冊目になります。今回、オビに三田先生の『インベスターZ』を使わせていただいたのは、先輩たちからやり方を教わりつつ、基本的には本質をついていく主人公だったからです。

三田 何が本質かという問題はあるんですが、はっきりした明確なものの言い方というのは、本質を突いているかのようにみんな感じるんだと思います。『インベスターZ』だと「お金は大事だ」と、『ドラゴン桜』なら「東大に入った方がいいんだ」と、キャラクターにはっきり言わせているんです。みんなお金が大事だと思っていても、口に出して言うと社会的なバッシングを受けてしまうかもしれない。そこをキャラクターのセリフとして言わせると、読者にダイレクトに突き刺さる効果があるのではと思っています。

『インベスターZ』は三田先生が描く、“株式投資学園”マンガ!

『インベスターZ』は三田先生が描く、“株式投資学園”マンガ!

大城 それは先生のキャラクターも華僑も、本質をついたものの言い方をしているんだと思います。

三田 日本人というのは一般的にはっきりと、ものを言うのを避けるんですね。はっきりとものを言うのは品がないという国民性が社会に定着していて、なんとなくぼんやりとコミュニケーションしていくのが日本人のやり方。僕はマンガというコンテンツをつくるにあたって、読者にどうやってインパクトを与えるのかを考えますが、人間が普通は口に出さないけど本音で思っていることをズバッと言ってあげると、読者の方はみんな「自分の言いたいことを表現してくれた!」と支持してくださるのではないかと思います。

大城 先生の作品からは、キャラクターの「覚悟」のようなものが伝わってくるんです。意図的にメッセージをこめられているんでしょうか。

三田 マンガのキャラクターというのは、なんらかの主張をするものなので、主張させるための資質が絶対的に必要になるわけです。資質の面で弱いと、読者から見て「お前何言ってるの?」ってことになるわけですから。「このキャラクターだから、こういうことを言う」というバランスをとっておかないと、キャラクターの主張にリアリティーがないんですよね。資質の部分としては、芯が強いとか、決断力があるとか、行動力があるとか、なかなか普通の人たちができないことをきちっとやれる人間であること。覚悟というのもそうですね、やると言ったら絶対やる、ブレない、明確な正義感を持たせることですね。その資質と主張をイコールにしていかないといけない。


インターネットは頭打ちになる?

大城 リアリティというのは、今いろいろなところで言われている問題ですね。インターネットが一番わかりやすい例ですが、“リアリティ”、“生きている感”が感じにくい社会になっています。私は華僑の強さは、対人コミュニケーションのうまさだと自分のコンテンツで主張しています。21世紀におけるインターネットとの距離の取り方についてどうお考えですか?

三田 僕は社会ってバイオリズムの波を描いていると思っているんです。色にたとえれば「黒があれば白がある」、また「黒がきて白になる」みたいな。今、インターネットはデバイスとしても環境としても完成してきていて、人々の便利さがそこに集中していますね。しかし僕は、今度は若干人間性回帰の方に入っていくバイオリズムがくるんじゃないかと感じています。人間性のほうに回帰している間にまた技術が発達して、次の大きなインターネットの波、今度はAIとか完全に実用化された段階で次のピークにいくんだと思うんです。

大城 なるほど。電子書籍に関してはいかがですか。

三田 電子書籍は今すごく伸びていますね。伸びているけど、もう少しでピークがくるでしょう。頭打ちになって落ちてくると、今度はまた紙の書籍が出てくると考えます。なぜかというと電子書籍は便利なんだけど、人間の求めているものをすべては埋められないんです。やはり人間的な温かみとか親しみやすさとか、情緒的な部分が求められる交代期が必ずくると思います。そこのリズムですよ。イギリスをはじめとしたヨーロッパは今まさにそうですから。

大城 たしかに電子書籍は無機質だと言われますね。私も先生のご著書を紙と電子の両方で読ませていただいています。その場で気軽にダウンロードできるのでKindleで読んでいたんですが、紙の書籍も欲しくなったんです。スピード感も紙だと乗ってくると速く読めるのに、電子だと逆にできないデメリットを感じました。

三田 作者を好きになってくれる読者というのは、好きなものは何度も読み返したいものなんですね。全部の章を読み返すわけじゃなくて、好きなところを拾い読みしたい人もいる。そういう意味では、好きなところをパッと開けるのが紙の便利さですね。電子だと起動させてから好きなところにいき当たるまで時間がかかってしまうイライラ感があります。電子書籍がいったん普及した段階で、やっぱり紙のほうがいいというマーケットは必ずあると思います。お互いうまく共存していけたらいいと思います。


じつは「普通」が一番幸せ……?

大城 先ほど白と黒のたとえが出ましたが、先生の代表作である『インベスターZ』と『ドラゴン桜』は非常に「秀才君」と「おちこぼれ」が対照的ですね。華僑の教えのなかには「普通を選ぶんだったら落ちこぼれを選べ」というのがあります。それは、じつは“普通”が一番難しいからで……。

三田 それはありますね。普通に生きるって、本当にこれほど幸せなことはないって僕は思います。誤解を恐れずにいえば、公務員が一番幸せですよ。僕はそもそも大学出るときには公務員を目指していましたからね。市役所にでも入れればいいなあ、なんて。実際同級生で公務員になっている人もいますけど、同期のなかで彼が一番幸せそうにしていますね。

大城 公務員よりも先生のように脚光を浴びる人生のほうが、普通の人は幸せなんじゃないかと思うはずですが。

三田 今からでもなれるもんならなりたいですね(笑)。僕の年齢だともう定年ですけど。まず公務員は勤め先がつぶれません。“明日をも知れない”というストレスをずっと抱えながら生きるって精神的に負担が大きいじゃないですか。絶対つぶれないってことほど幸せなことはないですよ。ずっと身分が保障される居心地のよさって、僕はもう最高だと思いますね。

大城 身分の保障のほかに、公務員の給料が高いのか安いのかという問題もあります。

三田 それは世の中的に広まっている間違った考え方で、じつは公務員って「手当」という形で裏からこっそりお金をもらっているんです。公務員の「出張手当」ってどんなものか知っていますか? 出張に行くだけで交通費とは別に「日数×いくら」という形で手当がつくんですよ。民間では絶対出ない。一般国民にわからない形で手厚く保障されているんです。


「草食化する若者」はつくられたイメージ

大城 お金をもらっても、若いほうが草食化していて、「家もほしくない」、下手したら「恋人もいらない」諦めの文化になっていますよね。一方、自分で持たなくてもいいシェアの文化もあります。「華僑は絶対に成り上がらないと意味がない!」という逆の発想なんですけれど。

三田 それはつくられたイメージがすごく大きいと思うんです。今の若い人の方が圧倒的にものを持っていますよ。我々の若い頃から比べれば。僕の学生時代、今から35年くらい前ですけど、風呂なし、トイレ共同、台所もないアパートに住んでいて、冷蔵庫や電話さえ持っている奴は少なかったんですよ。しかもオイルショックで不景気だったから、就職もたいへんで敗残者みたいな顔をしているヤツらがそこらじゅうにいました。昔の若者は野心的で、恋人が欲しい、車が欲しいと言っていたかというと、そうでもないんですね。そういう人はたしかにいたし、そういう人たちにかぎってマスコミでワーワーしゃべるから、昔はそうだったんだと勘違いするんだけど。日本人はみんな昔から草食系だし、保守的だし、そんなたいした向上心もないし、みんなのんびりした、ぼんやりした国民なんですよ。今の若者が草食系とよく言われるけど、どういうデータをもとにそう言っているのか、さっぱりわからないですね。

大城 大なり小なりメディアが操作している部分があるんでしょうか。

三田  それが商品になって売れるんですよ。僕はずっと出版業界をウォッチしているんですが、今だれが本や雑誌を買っているかというと、お年寄りですよ。60歳以上の会社を定年になって暇な人たちが、本屋で何を買うかというと、自分の欲求を満足させてくれるものをチョイスして買うんです。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」なんて時代を、いまだに懐かしがっているような人たちが、大量に本を買って、「やっぱり、俺が青春時代の日本が一番偉いんだ」と満足しているんです。だから、「今時の若い奴はダメだ」「草食系でどうしようもない」みたいなテーマの本を並べておくと、たくさん買ってくれるんです。そういうマーケットがおそらく相当数あると思われます。 だから逆に僕は、今の草食系若者批判なんて、お年寄りが読むためだけの世界観にしぼった、単なるマーケットであって、本質は絶対的に違うと思うんですね。今の若い人は学習意欲はものすごく旺盛ですよ。僕は投資系のセミナーによくいくんですけど、若い人はいっぱいいます。みんな20代で、学生だってたくさんいます。今から投資を始めるんだということで、興味を持ってよく勉強しているし、意欲的だし、すごく野心がある。僕の大学のクラスにあんな学生いなかったです。「今の若い子たちの方が全然イケてるじゃん」と書くとお年寄りは怒るんですよ。自分たちを否定されているようで。だから、僕は社会が持っているイメージと、常に逆の動きがあるということを考えています。草食系の若者というのは、はっきり言って嘘だと思います。

単行本情報

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