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【インタビュー】タナカカツキ『マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~』 1巻なんてまだまだ登場人物紹介!? 『サ道』中毒者必見! 続編への意欲と気になる今後の展開についてタナカカツキ“サウナ大使”がかく語る!!

2017/07/08


人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、タナカカツキ先生!

「サウナでニルヴァーナ状態を体験せよ!」
偶然体験した「サウナトランス」に魅了され、サウナ中毒となり「日本サウナ・スパ協会の公式大使」にまで任命されたタナカカツキ先生。
サウナ作法やプロサウナーのありがたい金言が詰まりに詰まったサウナバイブル『マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~』は、「読んだらサウナに行きたくなってしょうがない!」とまたたくまに話題になり、サウナの虜となる人々を次々と生み出しました!

今回は、「このマンガがすごい!2017」オトコ編の10位にランクインした本作の著者、タナカカツキ先生にインタビュー! 実写映画が公開中のデビュー作『逆光の頃』や映画の舞台となっている京都の思い出などについて、さらにさらにサウナー垂涎! 『サ道』続編についてもおうかがいしちゃいました!

もうひとつのインタビュー「サウナはいわゆるひとつの合法ドラッグ!! サウナ伝道師・タナカ先生が語るサウナのヤバすぎる中毒性とは!?」も要チェック!

著者:タナカカツキ

大阪生まれのマンガ家。そして、日本サウナ・スパ協会に公式に任命された、サウナ・水風呂のすばらしさを世に広める「サウナ大使」。ちなみに大使として日本で選出されたのは、現時点では、タナカ氏と長嶋茂雄氏の2人のみ。「コップのフチ子」の原案者でもある。
著書に、サウナを題材にしたマンガ&エッセイ『サ道』(講談社)のほか、『オッス!トン子ちゃん』、天久聖一氏との共著『バカドリル』(ともに扶桑社)などがある。映像作品も多数手がけ、アーティストとして幅広いジャンルで活躍中。なお、2017年に講談社から新たに出し直した『逆光の頃 完全版』は、当時の貴重なカラーイラスト十数点など、ファンにはたまらない特典が多数収録されており、電子書籍で好評発売中!

Twitter:@ka2ki
HP:KAERUCAFE.com

30年前の作品は今の自分じゃない別人が描いたもの

――タナカ先生のデビュー作『逆光の頃』(1988年・講談社)が実写映画化され、本日7月8日から公開です。

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『逆光の頃 完全版』
タナカカツキ 講談社
電子書籍のみで発売中!
(2017年1月16日発売)

タナカ 30年近く前のマンガですからね、もう時代が違いますよ。インターネットのない世界ですからね。

――映画化のお話はいつ?

タナカ 撮影に2年かかってますから、3年くらい前かな?

――昔の作品が映像化されるというのは、いかがですか?

タナカ 素朴にうれしいですよ。自分のマンガを映画にしていただけるのは。

――若い頃の作品は、読み返したりします?

タナカ まったく読み返してないです。読み返すと……たいへんでしょ(笑)。

――たいへんですか(笑)

タナカ 21歳のころの作品ですよ。いやぁ~、「回収!」ってなるでしょ。

――たいへんですね(笑)。撮影の現場には行かれたんですか?

タナカ 行っていないです。今回の映画化にあわせて「なにか要望ありますか?」と聞かれたんですけど、古い作品ということもありますし、個人的な、ごく私的な、ポエムのような、内観するような作品ですし、30年前の作品ってやっぱりもう今の自分じゃない別人が描いたものなので、そこに口を出すのは違うかな、と思いまして。監督がこのマンガを好きでいらっしゃって、その方の思いや意欲を優先したい、それを楽しみたいという気持ちはありました。

――試写でご覧になって、いかがでしたか?

タナカ 一観客としてまっ白な気持ちで別の作品として楽しめるかな、と思っていたんですが……、試写で見たら「原作 タナカカツキ」って最初に出るので「おいおいおい、やめてくれぇ!」と。

――(笑)

タナカ 監督がすごく原作を尊重してくれて、セリフひとつひとつも変えずにやってくれて。

――原作者としては、若い頃の自分の内面を突きつけられるような思いですね。

タナカ ただ映像は、想像以上に美しくて驚きました。よく京都であんな撮影ができたな、と。一般的なエンターテインメント作品は、キャラとかストーリーに重きを置かれていますけど、それとは違うものになっているので、若い方が見たらインパクトはあるだろうな、と思います。

――先生の原作マンガは、大林宣彦監督の映像作品のような雰囲気があります。

タナカ ああ、大好きでしたねぇ。そういう情感とかが漂う絵作りを楽しむ、というのは当時は非常に大好きでした。それでまた映画は本当に京都が美しく撮れていますから。

――「コップのフチ子」、『バカドリル』とか『サ道』などの作品とは、また違った魅力ですね。

タナカ まぁ、サウナなんですけどね。

――……え?

タナカ 静かに広がっていく気持ち……、京都でととのう……。同じことですよ。

――……京都で生活した期間は、ご自身のなかで財産になっているように感じましたが、いかがでしょうか?

タナカ そうかもしれないです。実家のある大阪から通えなくもなかったんですが、下宿生活に憧れていたので、4年間京都で下宿生活をしたんです。本当に世界遺産のなかで暮らすようなものでしたから、自分としては美大に行って絵とかカルチャーにバンバン触れていきたい時期に京都というのは、すごく機能したというか、よかったと思いますね。「京都=日本的」とはあまり思わなくて、自分としては異国のカルチャーとして入ってきたんです。だからサンフランシスコのミュージックも京都の町並みも、同じように向こう岸のものとして、新鮮に自分のなかに入ってきました。

――当時の流行で言うとアンビエント・ミュージックがあり、タナカ先生の初期作品も「アンビエント・マンガ」と評されました。

タナカ 当時はアンビエントとか環境音楽とか、ハウスが始まる前の時期にあたるんですよ。4トラックが個人で買えるような値段になったので、僕もシンセサイザーで宅録で遊んでいましたし、まわりもそうでした。アンビエントと京都の町というのは、すごくマッチして、心静かに過ごす……。これが「気持ちエエ!」みたいな、ね。「ととのった-!」みたいな感じにはなっていましたよ。なんか10代の後半って、トガっているというか、ハリウッド的なエンタメ作品はキャラがキャピキャピしててイケてないよね、みたいなムードがあるじゃないですか。

――あります、あります。

タナカ ゴダールやタルコフスキーを見ないといけない、稲垣足穂や寺山修司を読まなきゃいけない、みたいな。僕ももれなくそういうものが好きでしたし、そういうものを表現したいと思っていましたね。

――タナカ先生の快楽原則って、ワーワー騒いではしゃぐよりも、穏やかに楽しむ感じなのでしょうか?

タナカ もちろん外からの刺激も好きですよ。だけど、それは際限がない。だから自分の内側にあるものを使って遊ぶのが好きですね。

――それも体感的というか、身体性をともなっているように感じます。

タナカ 歳をとってから、よけいにそうなりました。刺激は頭発信のものですし、もう飽きたかな、と。それよりも行為とか実践から入るものはあんまりやってこなかったので、そっちのほうが自分としては新しいですね。頭発信の刺激は、時代的にもういいかな、みたいなムードはあると思います。みんなスマホを持って、同じ情報を持っているから、それはもう刺激的じゃないんですよね。サウナは思考の遊びではなく、頭は置いてけぼり、身体を使ったの遊びなので。

情報過多のこの時代だからこそサウナ遊びが必要なんです!?

情報過多のこの時代だからこそサウナ遊びが必要なんです!?

――運動が苦手な人でも手軽にフィジカルな歓びがえられるレジャー、と思えばいいのかな?

タナカ あ、そうですね。スポーツでえられる快感に近いと思います。ジョギングや山登りによくたとえられます。行為中に分泌される脳内の物質はよく似ている、と。

――今回のインタビュー用にサウナに行ったところ、思いっきり湯冷めして風邪引いたんですよ。

タナカ 湯冷めするってことは血管が衰えているということなので、これは警告ですね。体のストレスがマックス、ということです。もう限界に来ていると思いますよ。

――マジっすか。

タナカ 死んじゃうよ! サウナに行かないと!

担当 サウナに行かないと!

――あ、はい。あれ、なんだこの流れ。いや、大使から直々にオススメされたら、もう行くしかないんですが。

タナカ ぜひ(笑)。

――やっぱり『サ道』を読んでサウナに行く人が増えるのは、うれしいことですか?

タナカ うれしいですね。いま「サウナブームが来ている」といわれるんですが、たしかにいつ行っても混んでいるなぁ、とは思うようになりました。サウナの現場で「大使ですか?」と声をかけられたこともあるんです。

――「大使ですか?」って(笑)。

タナカ それもうれしいんですが、「はじめまして」が全裸ですからね。

――ちなみにコミックスの背表紙に「1」とありますが、これは続編があると思っていいのでしょうか?

タナカ 意欲はあります。ネタは死ぬほどありますからね。1巻は登場人物の紹介で終わっている感じですかね。「週刊モーニング」に不定期ですが載りますよ。

――なるほど。期待してます!

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取材・構成:加山竜司

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