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【インタビュー】 『たそがれたかこ』入江喜和先生が、連載丸4年をふりかえる! 物語のラストに関わる重要なシーンとは? そして、尾崎世界観とのコラボ曲の制作秘話も!?

2018/03/10


人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、入江喜和先生!

主人公は、40代中年女性・たかこ。
パートと家の往復をするだけの日々、家で待っているのは耳の遠い母だけ……。 そんな毎日に漠然とした不安とやるせなさをいだいている彼女が、偶然知ることとなったバンド“ナスティ・インコ”を通して時に傷つき、自己嫌悪になったりしながらも強く・明るくなっていく姿は、同年代だけでなく、老若男女多くの読者から支持をえました。

第3巻刊行時点で『このマンガがすごい!2015』第8位にランクインした本作は、2017年に刊行された最終巻が読者に衝撃をあたえ、『このマンガがすごい!2018』第4位に返り咲き!  なんと前回より順位があがった本作! 改めて評価されたその理由を探るべく、編集部は最終回を終えてさらに新連載も開始した入江喜和先生に、約3年ぶりにインタビューを敢行!
2015年のインタビューにつづき、今回も赤裸々に語りつくしていただきました!

著者:入江喜和

1989年「月刊アフタヌーン」の四季賞受賞作『杯気分!肴姫』でデビュー。「モーニング」で連載『のんちゃんのり弁』がドラマ化、映画化。その後「BE・LOVE」で『おかめ日和』『たそがれたかこ』を発表。
2018年2月から同誌で『ゆりあ先生の赤い糸』を連載開始(本文中の掲載雑誌はすべて講談社)。


鮮烈な音楽体験が45歳ヒロインを変貌させていく!

――「このマンガがすごい!2018」オンナ編・第4位おめでとうございます。

入江 ありがとうございます。びっくりしました。編集さんから電話がかかってきたときは聞き違いかと……。

編集 ぼくも正直驚きました。過去に一度ランクインしている作品なので(「このマンガがすごい!2015」オンナ編・第8位)。

入江 完結巻がでて、もしランキングに入ったとしても前回より上はありえないと思っていましたし。間違いかもしれないから、あまり喜ぶのはやめようと思って、しばらく喜ばないでいました(笑)。

――最終巻がでてガーンとやられて……読んだとき「これは事件だ!」と思いましたよ。そして第1巻から読みかえすと、いかにたかこが変わったか感慨深かったですね。いろいろ転換点はあったと思いますが、物語の大きなポイントになったのは?

第1巻では黒髪によれた服で、なんだか疲労感のただよう様子だったたかこ。最終回ラストのページとぜひ見比べてみてほしい。

入江 第5巻でライブに行ったのが大きかったんじゃないかなと思いますね。生まれて初めてそんな楽しい経験をしたら、年なんか関係なく生まれ変わるような気持ちになるんじゃないかと。それで、つい「なんで裸なの!?」みたいな絵を描いちゃったんですけど。お見苦しいものを見せてすみません(笑)。

ナスティ・インコを初めて生で聴いた瞬間に、様々なものが開放される体験をしたたかこ。
本作にとってラストにつながる大切なシーンとなった。

――体全体で心地よい衝撃を受けて、もう細胞がフレッシュに生き返っちゃうような。

入江 そんな感じじゃないかなと。ここでたかこさんがライブに行っていたから、あのラストになったんじゃないかと思います。

――このときライブに行くくだりも、かなりページを使って描きこまれていますよね。

入江 このあたりは、ただただ楽しく描いてるうちに長くなってしまって。私自身、だいぶライブに行っていない期間があったんです。音楽は聞いていても、子育てとかで忙しくて行けない時期があって。その後、久しぶりにひとりでライブに行ってみたら「こんなに楽しかったっけ!?」と。それが、東京キネマ俱楽部だったんです。

――クリープハイプを観にいったんですね。

入江 はい。『おかめ日和』を描いていた頃です。こんな楽しい1日をどこかに残したいなと思って……メモを取っていたわけでもないんですが、その時のことは鮮明に覚えていたので描けたんですよ。ライブもすばらしかったですが、東京キネマ俱楽部という場所もすごく気に入ったんです。建物の雰囲気が昭和っぽくて。

――何か楽しみなイベントがあって、その日を心待ちにしながら毎日を過ごしていくって幸せですよね。そういうものがある幸せ、気持ちの高まりをひしひし感じました。ライブだけじゃなく、光一くんのラジオの日を楽しみにするとか。

入江 私も、今でもCDを買いに行くときにすごくワクワクしながらでかけるんですよ。よっぽどほかに楽しみがない人間なのかなと思っちゃいますが(笑)。 今の若い子はあまりCDを買ったりしないそうですが、私の世代はレコードだったじゃないですか。大きいぶん、よけいに「買った!」っていう気がしてうれしくて、しばらく飾って喜んでいましたね。形はCDに変わっても、いまだにその感覚がありますね。歌詞カードもじっくり読みこんで、「ああ、そんなことを歌ってるんだ」ってかみしめながら。

――たかこさんがCDを買いに行く姿にも、楽しさがあふれてますよね。ひとつ好きなものができたおかげで髪型も服も変わって、生活の行動半径も変わって。人が変わるというよりは、刺激を受けたことでもともと持っていたものが外に表れていく。そんな姿に希望を感じます。ちなみに、先生が勇気をもらった1曲をあげるなら?

作中に登場するバンド"ナスティ・インコ"のモデルとなった、クリープハイプの尾崎世界観さんも好きだというこのシーン。音楽好きな読者からも、多くの共感をえた。

入江 クリープハイプの『風にふかれて』です! これは最終話のタイトルになっているんですが……けっこう前から決めていました。

単行本情報

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