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【インタビュー】佐々木陽子『タイムスリップオタガール』佐々木先生が中学時代に考えた「二つ名」が今、明かされる……!? 同人誌・サークル会報誌・コピー本……オタクによる、オタクのための、オタクマンガが爆誕!

2018/05/09


人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、佐々木陽子先生!

本作がデビュー作にもかかわらず、幅広い年代のオタク女子から圧倒的な共感を得て、『このマンガがすごい!2018』でオンナ編第5位に堂々ランクインした『タイムスリップオタガール』。

本作の主人公は、城之内はとこ(30)。日夜バイトで稼いだお金を2.5次元舞台や同人誌につぎこむ、生粋のオタクな彼女だが、ある日、電車にひかれてしまう!
そして(なんやかんやあって)目覚めると……記憶はそのままで、1996年にタイムスリップしていた!?!?!?

今回は、著者の佐々木陽子先生に、同人誌好きだった佐々木先生がプロの「マンガ家」としてデビューするまでの道のりや、気になるはとこのモデル、そして佐々木先生の恥ずかしい黒歴史(!?)についてもおうかがいしちゃいました!

著者:佐々木陽子

『タイムスリップオタガール』がデビュー作となる。「COMICポラリス」(フレックスコミックス)で連載中。
現在、『タイムスリップオタガール』最新第3巻が好評発売中!


好みの「前髪の長い子」を1コマ目に描いたら、話がスラスラと……

――まずは、「このマンガがすごい!2018」オンナ編第5位獲得おめでとうございます!

佐々木  本当にありがとうございます! うれしいです! 「このマンガがすごい!」のランキングを参考に、読むマンガを探したりしていました。じつは、2011年には「このマンガがすごい!大賞」に作品を応募したこともあるんです。

――えええ!? そうだったんですね! 佐々木先生にとってはこの作品がデビュー作ですが、どのように連載が決まったのでしょうか。

佐々木  20代前半は出版社に持ちこみをしていたのですが、2014年から2015年頃は二次創作が楽しくて、ほぼ月一で同人誌をつくっていたんです。あまりに同人誌をつくっては東京へ遠征するので、家族に「オリジナルのマンガは描かないのか」とツッコまれてしまうほどでした。
そんなおり、【投稿同人誌システム[注1]】を知って、地面から浮くほど驚いたんです。二次創作でもプロの編集さんに見てもらえるなんて……! そのシステムで同人誌を投稿しようと考えたことが「やっと第一歩」を踏み出した瞬間だったと思います。

――どのくらいの出版社に送ったんですか?

佐々木  10社ぐらいです。その時現在連載させていただいている、「COMICポラリス」の現担当さんから「お話をつくることが好きそうだなと感じたので、新人賞に応募しませんか? ネームから拝見します」という返事をもらいました。

――それで、いよいよオリジナル作品を描き始めたわけですね。

佐々木  すでに申しこんでいた同人誌即売会に参加しながら、新人賞に向けてのネームをつくっていたのですが……これがおもしろくない!!! ビックリするほどつまらないんです!(笑)。 2015年の夏コミを終えて「オリジナルに集中!」といいたいところですが、最後に作った同人誌が154ページほどあったため、精も根も尽き果てていたんですよ。
そんな時、アルバイト先で、ぼ―――っとしながら、前髪の長い子を1コマ目にサラサラ描いてたんです。それがはとこでした。

「コミュケ」で得た戦利品を手にホクホクしながら歩くはとこ。
そんな彼女の口癖は、「~でござる」。これはなかなかこじらせているな……。

――何かイメージを持っていたんですか?

佐々木  特になにも考えてませんでした。好みの前髪の長い子をなんとなく1コマ目に描いたらすべて滑り出した、という感じです。「この子が次こうなったらおもしろいなー」という感じで思いつくまま、小さいノートに描き進めていたら、60Pぐらいになっていました。途中「な、なにを描いているんだ……(おもしろいけど)。新人賞って32Pとかじゃないの……?」とおののいた記憶があります。連載の1話は、その時のネームだいたいそのままです。

デビュー作がまさかの連載作になるなんて!?

――タイムスリップのアイデアもそんな感じのノリで?

佐々木  はい。バイト先のカウンターでひらめいて……「お!」となって休憩室まで走って「これだー!!」と両手を挙げて小躍りしました。

――で、その60ページを新人賞に送ることになったのですね。

佐々木  とはいえページ多すぎだし、未完だし、オチも想像ついてないし。どうしようかと思ったのですが、もうこれは編集さんの判断を仰ごう、と。そうしたら編集さんから「おもしろかったので転がるところまで転がしちゃってください!」とお返事を頂き、それから数回に分けて続きを提出して……描き終えたら205ページになっていました。

――めっちゃ興に乗ってますね!!

佐々木  最後まで描いてみたら思いのほかよくネームが作れたので、新人賞に出したら何か賞に引っかかるんじゃないかな、とニヤニヤ笑いとソワソワ夢想しながら時間を過ごしました。でも、まさか「この作品を連載してみませんか?」といわれるなんて思ってもいなくて、「!?!?!?!?!?」みたいな、めちゃめちゃ驚いて、バイトの帰り道はずっとフワフワしてました。

――そこから、連載作として編集さんといっしょにブラッシュアップしていった、という感じですか?

佐々木  第1話はほぼほぼそのままだったのですが、第2話からはわかりやすくしたり、一話にまとめることを意識した話づくりというものを担当さん指導のもと進めていきました。すでに最初に描いた話にだいぶ肉がついて、自分でも驚きの方向へ進んでいます……!

――初期設定と変わったのはどんなことですか?

佐々木  冒頭からず――っと続いていた「はとこのモノローグ」量の減少です。それにともなって、人と関わったり話したりし始めた点でした。ずーーっと心のなかで一喜一憂していたはとこが、連載中にちゃんと会話できるようになってて、「はとこすごいぞ!」って思いました。あと長谷川というキャラクターが6割増しくらいはとこに絡んできていますね。

中学時代に戻ったはとこは、当時はとこをいじめていた宿敵・長谷川と再会する。
あいかわらず嫌がらせをする長谷川だが、このあと彼に悲劇が……!

――これまでで、特に描きたかったシーンは?

佐々木  8話(第2巻に収録)のリュータとはとこの会話「お尻とお尻でおしりあいですな」……ですね。担当さんに「なんならこのコマ、決めゴマ(見せ場となる大きなコマ)より大きいですが、いいんですか?」といわれたのがあまりにおもしろくて気に入っています! 7話の「お金が出せるようにきちんと貯めておかねばなるまい(お金だけに)」などの、本筋に関係ない、しょうもないギャグを挟めた時、「フフフ」ってなっています。

渾身のオヤジギャグを同級生のリュータに披露し、爆笑するはとこ。
あまりのしょうもなさに、リュータも引いてるぞ、はとこ……。


  • 注1 投稿同人誌システム 出張編集部のサービスのひとつ。編集部が、同人誌や作品をイベント会場で預かり、持ち帰って講評を行う。二次創作での投稿もできる。

単行本情報

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