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みつはしちかこ『小さな恋のものがたり』インタビュー【前編】 まさかの結末に涙、涙、涙! 連載開始から52年の超長寿ラブストーリー、ついに完結 

2014/11/20


サリーのモデルは初恋の人!?

――キャラクターについてうかがいます。まずは主人公の女の子チッチについて。モデルや生い立ちを教えてください。

みつはし チッチは野の花から生まれました。そのマンガにいつの間にか私が入り込んで、ずっとチッチという女の子に片思いをして、追いかけているような気持ちになっていきました。私は自分自身が実際に体験をしないと描けないんです。私の体験をもとに、想像力を働かせてマンガを描くという作業をしていますから、マンガに出てくる人たちはたいていモデルになる人がいます。

――サリーについてモデル、キャラの生い立ちを教えてください。エッセイで同級生の男性だったとありましたが、その方はどんな方だったのでしょうか。

みつはし 亡くなった夫には申し訳ないのですが、サリーは私の初恋の人なんです。同級生であり、同じクラブ(放送劇部)の仲間でした。放送劇で相手役をやったりしているうちに、彼のおもしろいセリフとか動作に惹かれていきました。よくみると、とてもハンサムでいい顔をしていたし、足はサリーのように長かったですね。マンガを描いているうちに、どんどん本人よりカッコよく、頭もよくなってきました。

「チッチ」「サリー」というおなじみのニックネームはお互いが考えたもの。それにしてもサリー、言動がイケメンすぎる。

「チッチ」「サリー」というおなじみのニックネームはお互いが考えたもの。それにしてもサリー、言動がイケメンすぎる。

――お2人はどのような関係になっていったのでしょう?

みつはし 今思うと、恋というより各々の夢に向かう同志のような関係でしたね。デートといっても、2人で熱心にお互いの夢を語り合うようなものでした。卒業後、彼は志望大学を落ちて浪人し、私は漫画家を目指しながらアニメーションの会社へ入社しました。彼はチャーリー・チャップリンに憧れていて、夢も喜劇役者になることだったんです。だから私は新聞の求人広告で役者向きの仕事を見つけると、切り抜いて彼に送っていました。そのうち、私のほうが先に夢だった漫画家デビューを果たし、彼のほうは結局夢を諦めて、父親の仕事を継ぐことになりました。そして、2人は自然と離れていって……って、長すぎましたね、この話(笑)。

サリーのモデルとなった初恋の人についても語られているエッセイ。マンガとあわせて読むと感慨はひとしお。

サリーのモデルとなった初恋の人についても語られているエッセイ。マンガとあわせて読むと感慨はひとしお。


来週更新予定のインタビュー後編では、読者が予想しなかったチッチとサリーの恋の結末、その真相について迫ります! さらに気になる続編や今後についても。要チェック!!

取材・構成:小林美姫

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