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おざわゆき『あとかたの街』インタビュー【後編】実際に戦争に遭遇した「その時」をいちばんすごい描写にしたい

2015/03/23


「物語として楽しめるもの」をめざして

――今後の展開をお聞きします。けっこう先の展開まで、もう決まっているのですか?

おざわ 毎話毎話は、そんなには決めていないです。

担当 戦時中の話ですから、どうしても大きな出来事はあります。どこを終わりとするかは、おざわ先生と編集部で決めていて、そこに向けて走っている状況です。軸があるので、あとはどうエンターテインメントとしておざわ先生が膨らませていくか、ですね。

おざわ 3巻に入ると、どんどん戦争が主人公の身近なものになっていきます。逃げられないような、戦争のリアルな恐怖がひたひたと近寄ってくるようなのが、今後の展開です。私たちは昭和20年(1945)に何が起きるか知っていますが、主人公や作中の登場人物たちは、そのことを知りません。そのような状況で、彼女たちがどういう気持ちで、何を考えているのか、それをできるだけ写し取って描くように心がけています。やはり、近くで空襲があった、戦争が起こったとしても、「近くて怖いな」「巻き込まれたらイヤだな」という感覚はあっても、実際にその場に遭ってしまうのとはワケが違います。ですから、実際に遭遇してしまった時を、いちばんすごい描写にしたいと思っています。

見せていただいたラフ。ついにあいの真上にも敵機が!? あぁ、あいの家族がどうなるか心配……。

見せていただいたラフ。ついにあいの真上にも敵機が!? あぁ、あいの家族がどうなるか心配……。

――今年は戦後70年という節目です。なにかと取りあげられる機会も増えるかと思います。

おざわ やはり戦争モノというと、どうしても「重苦しいもの」「堅苦しいもの」として捉えられがちです。マンガ喫茶とかにある「このマンガがすごい!」のコーナーに行っても、私の作品だけなかったりするんですよ(笑)

――いや、我々読者はハラハラドキドキしながら楽しんでますけどね(笑)

待望の3巻が3月13日に発売! 表紙も1、2巻と比較にならないほど悲壮感にあふれている。誰も死んでほしくない(涙)。

待望の3巻が3月13日に発売! 表紙も1、2巻と比較にならないほど悲壮感にあふれている。誰も死んでほしくない(涙)。

おざわ そうですね、できるだけ物語として楽しめるものをめざしていきます。

――ありがとうございました。今後とも楽しみにしています!

単行本情報

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