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将良『思春期ビターチェンジ』インタビュー 苦くても、心にグサッと刺さる作品が好き。

2015/05/18


ビターなストーリーが好き。その原点は野島伸司

――ユウタとユイは、なかなか辛い青春を送っているわけですが、先生ご自身は、そういうものに惹かれます?

将良 ヒドイ話が好きというわけではないんですけど、グサッと刺さって、物語がちゃんと完結したあとも、よくも悪くも心に残るようなものが好きですね。

――たとえば、どのような作品がお好きで、どのように影響を受けていらっしゃいますか。

将良 マンガはわりとマンガとして読んじゃうので、自分の作品にはドラマとか映画の影響のほうが大きいかも。最近の映画だと『桐島、部活やめるってよ』[注1]とか、ちょっと前になるけど『ジョゼと虎と魚たち』[注2]とか。『ジョゼ』は、最後の男の子の選択はヒドイ!とは思うんだけど、でも現実ってこうだよなって。逃げたくなる気持ちもわからなくもないし、正しい正しくないではなく、その弱さが悲しいけど愛おしくもあるなって。

――わかります。これが自分にとっての原点みたいな作品はあります?

将良 ざっくりですけど、90年代のドラマや映画は、今だと規制が入って描けなさそうな際どいところまで描いてて、展開的にもすごいというのがあってハマってましたね。特に野島伸司作品[注3]が好きで、『未成年』[注4]はちょうど再放送やってたんで見たんですけど、やっぱりすごい。今期ドラマの『アルジャーノンに花束を』[注5]も楽しみです。


  • 注1 『桐島、部活やめるってよ』 ある高校を舞台に、ひょんな出来事が波紋を呼び、水面下にあった複雑な人間模様があらわになってゆくようすを描いた異色の青春映画。監督は吉田大八、出演は神木隆之介、橋本愛、東出昌大。クチコミで大きな話題を呼び、日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ多数の映画賞を受賞した。原作は朝井リョウによる同名小説。
  • 注2 『ジョゼと虎と魚たち』 足が悪い少女・ジョゼと大学生・恒夫とのピュアで残酷でラブストーリー。監督は犬童一心、主演は妻夫木聡、池脇千鶴。原作は田辺聖子の短編小説。
  • 注3 野島伸司 脚本家。暴力、いじめ、障害者、自殺など社会のタブーを独自の視点で鋭く切り取った作品で、野島ブームを巻き起こした。代表作は『高校教師』『ひとつ屋根の下』『人間・失格』『聖者の行進』など。
  • 注4 『未成年』 95年に放映された野島伸司の脚本ドラマ。同世代の若者5人を中心に、青春のさまざまな苦悩と葛藤を生々しく描き、平均視聴率20%を超える大ヒットとなる。現在もドラマ史上に残る傑作として語り継がれている。主演はいしだ壱成。
  • 注5 『アルジャーノンに花束を』 2015年4月より放映開始となった新ドラマ。野島伸司が脚本監修を手がけ、「ザ・野島ワールド」が期待できる作品として早くも話題を集めている。主演は山下智久。原作はダニエル・キイスの不朽の名作として知られる同名小説。

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