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田中雄一『田中雄一作品集 まちあわせ』インタビュー 映画を撮るつもりでマンガが生み出される

2015/08/10


田中雄一先生による『田中雄一作品集 まちあわせ』のみどころ解説も後半戦。田中先生が語る、表題作「まちあわせ」の注目ポイントとは!? そして『まちあわせ』から一年、そろそろ読みたい新作についても、お話を伺ってみた!

前編はコチラ!
田中雄一『田中雄一作品集 まちあわせ』インタビュー 禍々しいクリーチャーが、カッコいいしキュートだって思ってる。

田中雄一

2000年、「月刊アフタヌーン」主催の新人漫画賞「四季賞」秋のコンテストにて「思い出は冷たい鉄の中に」が入賞。2002年には「四季賞」冬のコンテストにおいて「小さな約束」で四季賞を受賞する。

その後、長い沈黙を経て2009年「四季賞」春のコンテストにて「害虫駆除局」が四季賞を受賞。「害虫駆除局」は、四季賞受賞作品集「四季賞ポータブル」(「月刊アフタヌーン」2009年7月号付録)に収録され、禍々しいクリーチャー・十二脚虫の造形とその壮絶なラストで話題を呼ぶ。

2009年の受賞後「月刊アフタヌーン」誌上に読み切りを継続的に発表。読み切り作品をまとめた『田中雄一作品集 まちあわせ』で『このマンガがすごい!2015』オトコ編第11位にランクイン。

現在、次回作を構想中。

『まちあわせ』――不思議な世界での純愛

――表題作の『まちあわせ』ですが、かなりドストレートに恋愛ものですよね。

大きな力によって離れ離れになってしまった2人の再会を描く「まちあわせ」。100ページ以上の大作をイッキに読ませる物語力に感服!

大きな力によって離れ離れになってしまった2人の再会を描く「まちあわせ」。100ページ以上の大作をイッキに読ませる物語力に感服!


田中 はい。あれはもう、かなり真っ正面から純愛を描こう、といちばん最初に決めていました。

――それはもう、かなり思い切って「これをやるんだ」と決めていたんですね。

田中 そうです。現実ではあまりないような純愛をやろう、と思って描きました。普通、男女が長く離れているといろいろあると思うんですけど、そういうのは全部排除して。
見たこともない世界で純愛を描く、というのがこの話のスタート地点でした。

――世界規模でヤバイ状態になっているんですけど、わりと閉ざされた社会が描かれます。

出会いと別れを繰り返す2人の裏で、じつは地球もすんごくたいへんなことになっていた! が、それはまた別のお話というのが爽やかな読後感につながる。

出会いと別れを繰り返す2人の裏で、じつは地球もすんごくたいへんなことになっていた! が、それはまた別のお話というのが爽やかな読後感につながる。


田中 あんまり世界を広げるとボロが出ちゃうから(笑) 短編なので、ストーリーに必要な情報だけをどんどんと放りこんでいって、余計なことはできるだけ描きたくないんです。現代とは違う世界、人類が絶滅の危機に瀕しているディストピアでは、どういった社会システムになっているのか。そういうことを考えるのは大好きなんですが、外の世界でどういったことが起きているのかを入れちゃうと物語の邪魔になっちゃうので、そういったのは最小限に抑えました。

――じゃあ作品に描かれていない部分まで、考えているんですね。

田中 なんとなく自然に考えちゃうんです。こういう社会だったら、こうなっているはずだろう、と。ただ、主人公の知らないところで起きている出来事は、読者としてもノれないと思うんですよ。見知らぬところで大統領が核攻撃を決めるとかそういったことではなく、あくまで自分の目の届く範囲で知りうること……たとえばテレビのニュースで知るとか。そういう範囲内で描くことが、リアリティがあっていいんじゃないかと思うんです。未知の部分に関しては、その匂いみたいなものがちょっと物語に漂っているくらいがちょうどいいんじゃないかな。

単行本情報

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