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『町田くんの世界』安藤ゆきインタビュー まるで町田くんみたい? 安藤流エピソードづくりはキャラクターとの内なる対話

2016/05/03


人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、安藤ゆき先生!

老若男女、だれをも等しく気づかい、まっすぐに接する町田くん。そのたぐいまれなる人間力からだれからも愛される町田くん。
読者の心を癒すエピソードはどうやって誕生するのか? また、独特の世界観と透明感で注目を集める安藤ゆき先生が、自身にとって初の長編となる『町田くんの世界』で込めたメッセージとは? 見逃せないインタビュー第2弾、スタート!

インタビュー第1弾はコチラから!

著者:安藤ゆき

2004年に「デラックスマーガレット」(集英社)にて短編「星とハート」で漫画家デビュー、2009年に短編集『不思議なひと』(集英社)でオリジナルデビュー。4年ぶりとなる短編集『透明人間の恋』(集英社)が「このマンガがすごい2014」オンナ編第17位にランクイン。その後、「別冊マーガレット」にて短編作品を発表、現在は同誌にて『町田くんの世界』を絶賛連載中。

キャラクターの内面から
エピソードが生まれてくる

――『町田くんの世界』の魅力は、各エピソードに私たちが日々抱えているモヤモヤを解消してくれる要素があるせいでもあると思うんです。「人のモノサシ」というキーワードが軸となる10話に続き、11話にも「人はなぜ思いやりを持てないんだろう」というハッとする問いが出てきます。こうしたテーマは、先生ご自身が生活のなかで実感していることから生まれるのでしょうか。

11話は身につまされる読者も多いはず。たしかに疲れているとね……思いやりなくなっちゃうよね。

11話は身につまされる読者も多いはず。たしかに疲れているとね……思いやりなくなっちゃうよね。

安藤 ネームを構想している時、キャラクターの内面をしっかり考えていると自然と出てきます。普段から特別に意識しているとかではないように思います。

――ちなみに今、お気に入りのマンガはありますか?

安藤 松田洋子先生の『私を連れて逃げて、お願い。』です。エネルギーがすごくて、人間が愛おしいです!

ヒメとオウジ、不器用なふたりによる迷走ロードコミック。毒と笑い、感動が渾然一体となった松田ワールドが堪能できる名作。3巻で完結。

ヒメとオウジ、不器用なふたりによる迷走ロードコミック。毒と笑い、感動が渾然一体となった松田ワールドが堪能できる名作。3巻で完結。

――なるほど! ひと言では言い表せない魅力を持った主人公たちは、町田くんと共通するようにも思います。

読者に伝えたいのは――
町田くんを好きになって!

――そういえば『町田くんの世界』というタイトルは、どんな意味を込めてつけたのでしょう。

安藤 シンプルに“町田くんの存在する世界”という意味です。最初はそういう意味でしたが、徐々に変化してきていると思います。

こんな風に世界を見ることができたら世の中もっと平和になるんだろうなぁ。町田くんは読者にいろんなことを気づかせてくれる。

こんな風に世界を見ることができたら世の中もっと平和になるんだろうなぁ。町田くんは読者にいろんなことを気づかせてくれる。

――本作を通じて読者に伝えたいと思うのはどんなことでしょう。

安藤 特に大げさなものはないのですが、ただただ町田くんを好きになってほしいということだけです。

女の子の好みを聞かれてこんな答えをしちゃう町田くんが好きです。とにかく町田くんを見ているだけで幸せ気分。

女の子の好みを聞かれてこんな答えをしちゃう町田くんが好きです。とにかく町田くんを見ているだけで幸せ気分。

――ありがとうございました。では最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

安藤 一生懸命描きます! これからも『町田くんの世界』をよろしくお願いします!

取材・構成:粟生こずえ

単行本情報

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