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【インタビュー】誰かのこと、もっと知りたいから、マンガを描きつづけてる――。 『さきくさの咲く頃』ふみふみこ【後編】

2014/07/31


ふみ先生の『さきくさの咲く頃』へこめた想いをお聞きしたインタビュー前編。後編では、先生のマンガ遍歴をお聞きすると同時に、過去の作品、そしてこれから刊行される作品についてもお話を伺った。

前編はコチラ!
【インタビュー】設定資料を大公開! 気合充分で挑んだ初長編! 『さきくさの咲く頃』ふみふみこ【前編】

ふみふみこ

奈良出身。2006年デビュー。

代表作『女の穴』『恋につきもの』(どちらも徳間書店)が2014年に実写映画化。

現在「月刊COMICリュウ」(徳間書店)にて『ぼくらのへんたい』、「championタップ!」(秋田書店)にて『さくらの園』、「YOU」(集英社)にて『神主さんと僕の彼女』の3作品を連載中。

公式サイト:ふんだりけったり

Twitter:@fumifumiko23235

 

中高生時代は朝から晩までマンガを読みふけっていた

――ふみ先生はいつごろからマンガを描き始めたのでしょうか。

ふみ 初めてコマ割りしたのは小1か小2だったかな。友だちにすごくうまい子がいて、その子と交換マンガみたいにしながら描いてました。

——当時影響されていたのは?

ふみ 「りぼん」中心ですね。『姫ちゃんのリボン』『ハンサムな彼女』『ママレード・ボーイ』とか……。

現在「Cocohana」にて『ママレード・ボーイ』の13年後を描いた『ママレード・ボーイ little』が連載中。

現在「Cocohana」にて『ママレード・ボーイ』の13年後を描いた『ママレード・ボーイ little』が連載中。


——本格的なマンガの道具をそろえて描き始めるのはいつごろですか?

ふみ 小学3〜4年かな。私、進研ゼミの『チャレンジ』をやってたんですけど、あれ、テストを提出するとシールがたまって景品がもらえるっていうのがあるじゃないですか。その景品に「マンガ家セット」があったんです。

——そのセット欲しさにがんばったわけですか!?

ふみ そうです! 原稿用紙、Gペン、墨汁、ホワイト、トーン、ひととおりそろってましたよ。そのセットをフルに使って初めて仕上げたのが、ドラクエ4コマでした。

——あれ、少女マンガじゃないんですね?

ふみ 当時、すごく流行ってたんですよ! 浅野いにお先生もインタビューで「初めて描いたのはドラクエ4コマ」って言ってて、同世代感を感じました(笑)。

——道具も手に入れたし、その後は黙々とまんが道を邁進していくわけですか。

ふみ ところがいったんマンガを離れるんですよ。なんかまわりに気持ち悪いとか言われ出して(笑)。ある時期まではみんなマンガやアニメが好きだったのに急にSMAPとか言い出して……。

——女子にはそういう転換期がありますね。小学校高学年から中学生にかけての頃に。

ふみ マンガを読んでるだけで「気持ち悪い」とまで言われて。それがすごくショックで、マンガを描くことをやめてしまったんです。まあ、家でひっそりノートに描くくらいはしてたんですけど。

——では、中高生時代は、学校ではそういうそぶりを見せず、隠れてマンガを読んでるみたいな?

ふみ はい、読むほうはひたすら……。雑誌だけでも「ジャンプ」「サンデー」「マガジン」「チャンピオン」。少女マンガでは「りぼん」「別マ」……「なかよし」は卒業してたかな、あと「花とゆめ」も。

——かなり広く読んでますね。もっともマンガをたくさん吸収した時代だったのでしょうね。

ふみ そうですね。よく学校をさぼってずっと立ち読みしていました。朝の10時に書店に行って、閉店まで12時間ずっと立ち読みっていうのを……週に何日か(笑)。

——うわぁ……もう時効だからいいのかなと思いますけど。でも、そこまでやって、学校でマンガ好きということが隠せていたのでしょうか? そんなに休んでバレてなかったんですか?

ふみ 休むのは「ちょっと調子悪くて……」とか言ってましたが、さすがに「学校嫌いな人」とは思われてたでしょうね。

——そりゃそうですよ(笑)。しかし、それだけ立ち読みできる情熱もすごいと思います。

ふみ 今じゃできないです。飲まず食わず、トイレも行かずくらいでしたから。書店員さんには気持ち悪いって思われてたと思います。申し訳なかったですけど、とにかくマンガを買うお金がなかったので……。

——長編マンガも、1巻からずっと読んでいくわけですか?

ふみ あのころ、本当におもしろかったです。いろんな作品を初めて読んで、おもしろさにうち震えたことが今でも思い出せますから。一番印象的なのは『寄生獣』と『ぼくの地球を守って』ですね。それから『残酷な神が支配する』とか。

今年11月には実写映画公開予定の超傑作漫画。恐ろしい寄生生物・ミギーがなぜか可愛らしい。

今年11月には実写映画公開予定の超傑作マンガ。恐ろしい寄生生物・ミギーがだんだんかわいくみえてくる!?。


——いいマンガを読んできたんですねぇ。

ふみ はい、その自負はあります! 山本直樹さんもその頃に読んで、すごい衝撃を受けた作家さんです。

単行本情報

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