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【インタビュー】松下幸市朗『ひとり暮らしの小学生』 新刊発売記念! シリーズ15万部突破のナゾの新人が語る、主人公の原点はあの世界名作劇場の……

2016/11/17


人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、松下幸市朗先生!

時は1980年代、神奈川県・江の島に、ある食堂があった。
ボロっちいテーブルやイス、お世辞にもおいしいとはいえない料理、そしてたったひとりの店員……。そこは9歳の女の子がひとりで営む食堂だった。
「このマンガがすごい!WEB」にて大好評連載中の『ひとり暮らしの小学生』。
kindleで個人的に発表していた作品にもかかわらず、「泣ける!」「ほっこりする!」とネット上で大反響を呼び、ついには宝島社より単行本発売されるに至った本作。その第2巻発売を記念して、著者の松下幸市朗先生にインタビューを敢行! 作品に流れる切なさや優しさの原点を探った。

著者:松下幸市朗

京都在中。
宝島社刊の『ひとり暮らしの小学生 江の島の夏』で単行本デビュー。2016年になりTwitterにて「リンちゃんの 日々の川柳 カレンダー」を描いてます。
公式サイト:http://mkoichiro.blog.fc2.com/
Twitter:@kouichiro_m

作品のベースにあるのは「世界名作劇場」だった!

――小学生の女の子がひとり暮らしをしていて、しかも定食屋を営んでいる。「そんなことあるわけないじゃん」と思っていても、いつのまにかリンちゃんに親身になって読んでしまうんですよね。

松下 私はアニメの世界名作劇場が好きで、この作品のベースにはそれがありますね。子どもがひとりでがんばるみたいな。

――あ、なるほど! 『母をたずねて三千里』とか『フランダースの犬』とか……。

松下 好きな作品はたくさんありますが、子どものころ一番好きだったのは『小公女セーラ』でした。

──『小公女セーラ』ってかなり過酷な話ですよね。セーラが天涯孤独になってからというもの、ミンチン先生にめちゃくちゃこき使われて……それでも自分の誇りを失わずに耐えぬくという。

松下 主人公が努力してる姿が好きで、自分もそういう主人公像を描きたいと思ったんです。それが幼い子であれば、より応援したい気持ちになるなということから、リンの設定が決まりました。

リンちゃんのせつないひとことに、周りの人も思わず涙。

リンちゃんのせつないひとことに、周りの人も思わず涙。

──こんな子がお店をやっていたら、多少味がアレでも行ってあげたいなという気持ちになるんですよね。

松下 彼女は料理自体がへたなわけではないんですよ。ただ味覚が一般の人とはちょっと違うという(笑)。ほとんどの人がおいしくないと受け取ってはいるんですが、おいしいと感じるお客さんもたまにいるみたいです。

──リンと学校の同級生、お店の常連さんともに関係性が日々変化していくところにも読みごたえを感じます。

けなげにがんばるリンちゃんだもの、そりゃあ常連さんも集まるよね!

けなげにがんばるリンちゃんだもの、そりゃあ常連さんも集まるよね!

松下 描き始めた段階で、出てくる登場人物はほぼ決まっていました。どんな人と交わればリンという人間をよくわかってもらえるかを軸に物語を考えていたので。

──たとえばお金持ちのお嬢様のミエちゃんは、リンに自分の高価な持ちものを見せびらかしたり、リンの行動にケチをつけたりしますが、それに対してリンはとてもフラットな態度を取りますよね。

松下 そう返されるとミエちゃんも拍子抜けしちゃったりするわけです。

──リンの性格がわかるとともに、ミエちゃんが単なる悪役ではないことも伝わってきます。

松下 ミエちゃんが意地悪をするにしても、彼女なりの人間味があるべきだろう、それを常に出していこうと思っていて。これはすべての人物に対して思うことですが。

──しだいに、リンとは真逆に何不自由ない暮らしをしている彼女の苦悩も見えてきて、かわいく思えてしまいます。

リンちゃんとミエちゃん、真逆なようでじつは仲良し!?

リンちゃんとミエちゃん、真逆なようでじつは仲良し!?

松下 キャラクターのバックグラウンドを描くことは、私がもっとも大切に思っていることのひとつですね。たとえ極悪人を登場させる必要があったとしても、ただ悪い人としてだけは描きたくない。悪事を働くのは「状態」であって、イコール「人間そのもの」ではないから。悪いことをするバックボーンや理由に触れる必要があると。

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