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鳥飼茜『おんなのいえ』インタビュー前編 母と娘の“オンナ”の関係

2014/09/01


まわりがあまり見えていない姉と、仕切っているつもりの妹と

――常々『おんなのいえ』には名台詞が多いと感じているのですが、先生ご自身、お気に入りの台詞はありますか?

鳥飼 川谷さんが「男は別れた女の成長なんかひとつも興味ないよ」というところですかね。これは私が考えたもので……男の人が実際そう思ってるかはわかりませんけど、おおむね正解じゃないかなって思っていて。それを活字として自分に見せられたことがよかったかな。

強気で生きている女性ほどこの台詞は言われたらショックが大きいだろうな……。

強気で生きている女性ほどこの台詞は言われたらショックが大きいだろうな……。

――自分に向けて書いた言葉でもある?

鳥飼 これは完全にそうです(笑)。ほかにもあるかもしれませんが。

――ハッとする言葉がたくさんありますから、『おんなのいえ 名言集』が作れると思いますよ!

ハッとさせられたりグッときたりの名台詞が目白押し! あなただけの名台詞をぜひ探してみて。

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鳥飼 そうですか? なんだか恥ずかしいですね(笑)。

――こうして見ると、妹のすみ香は、有香にガンガン突っこんでますね。

鳥飼 血がつながってる分、友だち以上にぶっちゃけトークができるのが姉妹のよさかなと思うんです。まあ、ケンカになることもありますけど。私も、わりと自分の妹とはなんでも赤裸々に話す方だったので。

――妹さんとは今も仲良しなんですか?

鳥飼 今、妹はカナダに住んでるんですけど、たまにスカイプで話したりします。内容は10代の頃とほとんど変わってないですね。バイト先の人にいじめられてるとか言ってますよ(笑)。

――妹さんとの関係性は、かなり作品に反映されている?

鳥飼 はい、そうでしょうね。やっぱり、妹ってかわいいんですよね。すみ香のこともかわいいなと思って描いてます。

――有香はしっかりしていて堅実だけど、夢見がち。すみ香は姉に比べると奔放なようで古風。ちょっと生意気で観察眼の鋭いところも下の子っぽいですね。

年齢トレーナーがナイスなカラーイラスト。29歳の有香は長袖&長ズボン、25歳のすみ香は半袖&ショートパンツとスタイルもそれぞれの性格のように対照的。

年齢トレーナーがナイスなカラーイラスト。29歳の有香は長袖&長ズボン、25歳のすみ香は半袖&ショートパンツとスタイルもそれぞれの性格のように対照的。

鳥飼 うちの妹を見ていると「私がこんなに周囲のことを考えているのに、みんなはなんなの?」みたいに怒ってることがたびたびあって……それがちょっと滑稽なんですよ、私から見ると(笑)。どうやら表には出さないけど、本人はまわりがうまくいくように配置してるみたいで。

――すみ香は有香に対して厳しいことを言う一方、とても愛情深いですよね。有香の元カレを殴ったシーンしかり、合コンで有香がイヤな想いをした時には啖呵を切って席を立ったり。

姉の元彼にグーパンチしたり、イヤな流れのムードの合コンから姉を連れ出したり。すみ香の大胆な言動は読者をスカッとさせる。

姉の元彼にグーパンチしたり、イヤな流れのムードの合コンから姉を連れ出したり。すみ香の大胆な言動は読者をスカッとさせる。

鳥飼 ここまでやってくれたら、頭が上がりませんね(笑)。たしかに下の子に比べたら、長女はあんまりまわりが見えてないと思います。自分のことばっかり考えてきたのかも。成長過程でそれが許されてきたんじゃないかと思うんですが。あ、これはあくまで自分を振り返っての分析ですので、違ってたらすみません!

――それに近いことを川谷さんが有香に言うシーンもありましたね。

初対面なのにここまで有香の本質的なところをズバリと言い当てる川谷さん、ちょっとコワイ。

初対面なのにここまで有香の本質的なところをズバリと言い当てる川谷さん、ちょっとコワイ。

――そして、この物語はお母さんのツルのひと声から始まっていますね。フラれて恋人との同居を解消した有香を心配して、すみ香といっしょに住むことを命じるという。

母親にとって娘は大人になっても心配がつきないもの。娘にとっても母親はいつまでたっても頭の上がらないもの。わかりすぎる!

母親にとって娘は大人になっても心配がつきないもの。娘にとっても母親はいつまでたっても頭の上がらないもの。わかりすぎる!

鳥飼 私も、大人になった今でも母には逆らえないです。逆らってるつもりでも、母の『こうしたほうがいいんじゃないの』というひと言が呪いのように後々までつきまとって、自分の行動を制御している気すらします。

――なるほど……思い当たりますね。逆らったつもりでも根本的には逆らいきれないという。

鳥飼 お母さんというのは基本、自分の幸せをいちばん願ってくれている人だと思うんです。その人が言う言葉にはそれなりの根拠があると、潜在的に感じてるんですよね。ですから、発言力の強い母ではあっても、権力者のように見えないように気をつかって描いているつもりです。

――子どもを自分の思うように操ろうとする親でないことは、十分に伝わってきます。「母と娘」として、ときには「ひとりの大人の女同士」として話せる関係性が、なんとも素敵だなあと思ってしまいます。

離れていても子供のことをちゃんと見ていることがよくわかるお母さんの台詞。有香の素直な涙にウルっとくる。

離れていても子供のことをちゃんと見ていることがよくわかるお母さんの台詞。有香の素直な涙にウルっとくる。

次回、リアルな日常と会話を描く鳥飼作品のルーツと、もうひとつの大注目作品に迫る!

プレゼントのお知らせ


鳥飼茜先生の直筆サイン入り『おんなのいえ』単行本第3巻を3名様にプレゼント!
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プレゼント応募は締め切りました。たくさんのご応募、誠にありがとうございました!

取材・構成:粟生こずえ
撮影:辺見真也

単行本情報

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