第8位　全“歴女”が泣いた!?　はかなくて切ない新撰組の物語

『薄桜鬼』二宮サチ（画）アイディアファクトリー・デザインファクトリー （監修）

『薄桜鬼』第1巻（全4巻）
二宮サチ（画）、アイディアファクトリー・デザインファクトリー （監修）　KADOKAWA

江戸に住んでいる主人公・雪村千鶴は、蘭学医である父・綱道との連絡が突然取れなくなってしまったため、父のいる京都を訪れることにしました。
しかし、そこで千鶴が目にしたのは、血に飢える化け物を切り伏せる新選組の姿で!?
この衝撃的な出会いをきっかけに、新撰組のメンバーと一緒に行動することとなった千鶴は、自身の出生、そして新撰組の秘密を知ることになっていきます。
それには千鶴の父・綱道が幕府の名によって行っていた実験が深くかかわっているようで……。（なんだか不穏な予感？）

土方歳三、沖田総司、斎藤一、原田佐之助、藤堂平助、永倉新八といった実在する新撰組がモデルになっているので、幕末好き、新撰組好きにはとくにおすすめです！
ハラハラドキドキするシリアスな戦闘シーンでは、自分の信念を貫くために命がけで戦うかっこいい新撰組が描かれ、一方の日常シーンでは、千鶴が新撰組のメンバー京の街を探索したときのほっこりするエピソードが描かれています。
ふだんのピリピリした空気から解き放たれた新撰組のメンバーが、ふとした瞬間に見せる素顔にドキッとすること間違いなしですよ！

原作ゲームでは様々なキャラクターとの恋愛を楽しめますが、はたして本作が迎えるエンディングとは!?

第9位　メイドと王子様、ちょっと昼ドラチックな王宮ロマンス！

『クリムゾン・エンパイア』双葉はづき（画）QuinRose (作）

『クリムゾン・エンパイア』第1巻（全3巻）
双葉はづき（画）QuinRose (作）　一迅社

主人公・シエラは、庶民の憧れの職業・メイド長です。
もとは奴隷でしたが、率力や政治についての知識、高い戦闘能力を買われて出世しました！
シエラは、第二王子・エドワルド＝ウィンフリーに絶対の忠誠を誓っています。エドワルドは美しい容姿に加え、社交上での愛想のいいので人望もあるようですが……じつは性悪で全てのものを見下しているんです。（みんな、甘いマスクに騙されないで！）

しかし、このエドワルドには対立する存在がいます。その男とは、第一王子・ジャスティン＝ロベラッティのことです。（ちなみに、エドワルドの腹違いの兄です！）
王宮といえば、血なまぐさい政権争いがつきもの。本作も自分の主を王位につかせるため、従者は様々な策を講じ様々な人間を利用していくことになります。

メイド長としてはかなり優秀なのに、私生活では不器用なシエラがかわいらしい！
シエラが王宮で出会った王子様や同僚たちと、どのように恋や友情が育くんでいくのか、最後まで目が離せません。

第10位　これぞ「ネオロマンスシリーズ」の原点！

『アンジェリーク』由羅カイリ

『アンジェリーク』第1巻（全11巻）
由羅カイリ　KADOKAWA

乙女ゲーム制作の大手ブランドのひとつ、コーエーテクモゲームスの「ネオロマンスシリーズ」の第1作目のコミカライズ作品。

いたって普通の女子高生・アンジェリークが、突然宇宙を司る女王の後継者候補となり、女王に仕える「守護聖」という9人の男性キャラクターたちの力を借りながら、女王を目指すお話です。
いまや「乙女ゲーム」という言葉が生まれるくらい、ゲーム業界における女性向け恋愛アドベンチャーゲームの割合は年々増えていますが、本作の原作ゲームが発売された1994年発売当時は、美しいビジュアルと声のキャラクターたちが愛の言葉をささやいてくれることに感動したものです。

作画を担当しているのが、『彩雲国物語』でもおなじみの由羅カイリ先生ということで、本作でも、ため息がこぼれそうなくらい美しいイラストを堪能できます。（まさに目の保養！）
男性キャラクターは9人とよりどりみどり。乙女ゲームの醍醐味のひとつである「逆ハーレム」状態を楽しめるのも魅力です。やっぱり二次元のなかくらいはモテまくりたいですよねっ。

ちなみに、2015年発売予定の『アンジェリーク』の完全リメイク作品『アンジェリーク ルトゥール』のコミカライズは、ゲームの発売に先駆けて、「sho-comi増刊」にて連載中です。『アンジェリーク』ファンは、こちらも必見ですよ！

番外編　恋愛対象は全員ハト!? 己の妄想力が試される玄人向け作品！

『はーとふる彼氏』玻都もあ

『はーとふる彼氏』
玻都もあ　竹書房

表紙からもわかるように、なんと本作の恋愛対象は全員ハト！
キャラクターの初登場時には、擬人化されたかっこいいビジュアルも見れますが、基本的にはハトそのままのビジュアルです。

乙女ゲームとしては異例ですが、原作ゲームには音声がなく、プレイヤーに「NS3（脳内再生シンクロシステム）」を駆使してプレイすることを推奨しています。なのでプレイヤーは、画面に表示される、擬人化されたキャラクタービジュアルとCV（キャラクターボイス）を見て、己の「NS3」を稼働させます。
このゲームをいかに楽しめるかはプレイヤー本人次第という、なんとも他人まかせな作品ですが、様々なゲームで脳を鍛えられた乙女ゲーマーたちは、余裕で脳内再生できてしまうものなんです。（これぞ乙女の底力！）

乙女ゲーム初心者は敷居が高いと感じるかもしれませんが、本作には擬人化マンガも収録されているので安心してください。
とはいえ、本作の魅力はハトたちとのかけあいなので、まずはメインの4コママンガを楽しみましょう。
ちなみに、キャラクターボイスの脳内再生が難しいという方のために、ドラマCDも発売されてます。本作と原作ゲームを楽しんだあとは、CDで声優さんのイケメンボイスを堪能してくださいね。