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『カラダ探し』ウェルザード(作)村瀬克俊(画)ロングレビュー! 脱出不能の学校を舞台に何度も何度も“殺される”生徒たちの極限サバイバル・アクション【総力リコメンド】

2015/04/03


友情崩壊どころじゃない、人間同士のグッチャグチャな愛憎劇からも目が離せない。

友情崩壊どころじゃない、人間同士のグッチャグチャな愛憎劇からも目が離せない。

さらに、男子3人女子3人のメンバーが単なる仲良しグループではなく、どんどん友情が崩壊していくのも見どころのひとつ。そして女子だけで固まって、意外とそこでは新たな友情が育まれたり、だんだん「どうせ死んでもまたやり直し」と開き直りはじめ、高校生としては大フンパツな感じで3000円のステーキを食べちゃうくだりなど、高校生らしさが描けているあたりも魅力のひとつ。

また、キャラの立て方もじつに丁寧。
とくにとりえがないかと思われた明日香が、ここぞという場面でがんばりを見せたり、あるいは一番やる気のなさそうな留美子が、ある日「立派なのは口だけ」と底の割れた翔太の「男を立てる」ためにあえて犠牲になるなど、「うわ、こんなの好きになってまうやろ!」というキャラ描写でも読ませる。
もちろん、逆に「コイツ、最低か!」というキャラも、それはそれでグッド。いい人ばかりじゃおもしろくないですからね!

文字どおりに「カラダ探し」をするワケだが、グロすぎず、かつ妙に生々しい描写が白眉。

文字どおりに「カラダ探し」をするワケだが、グロすぎず、かつ妙に生々しい描写が白眉。

そんなワケで、トラウマ級の怖さと謎解きのおもしろさ、さらに高校生らしい友情が絶妙なバランスで盛られたこの作品。“ループもの”というスタイルにもうまくハマっている。

原作の小説は完結しているのだが、先に結末を読んじゃうか、あるいはマンガの続きを待つかはじつに悩ましい。
それぞれメディアの特性を活かしているので、いずれはどちらも読むのがオススメですけどね。


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遥の頭の後ろから覗いている何か。これはアカン系の怖いヤツだ!!!!

遥の頭の後ろから覗いている何か。これはアカン系の怖いヤツだ!!!!



『カラダ探し』著者のお2人から、コメントをいただきました!

ウェルザード

とりあげていただきありがとうございます。
更新日の金曜には、私も一読者として、毎週ワクワクしながら読んでいます。
村瀬先生が描く「カラダ探し」が、読者の皆様に楽しんでいただけたら幸いです。

村瀬克俊

怖いけど続きが気になって止まらない…原作同様、そんなマンガを目指して描いてます!
2巻ではキャラやストーリーが大きく動き出します!
暖かくなるこれからの季節、読んで背筋を寒くしながら怖楽しんでいただければうれしいです!



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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