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『ピコピコ少年SUPER』(押切蓮介) ロングレビュー! ”ピコピコ中年”キラーの青春ノスタルジー!押切先生からのコメントもあります!

2015/04/15


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『ピコピコ少年SUPER』
押切蓮介 太田出版 \660+税
(2015年2月5日発売)


「ゲームを通じた甘酸っぱい恋愛+恋愛を通じたアツいゲームの激闘」を描く『ハイスコアガール』がごちそうのフルコースとすれば、同じ神奈川県の溝ノ口(作者の故郷)を舞台とした『ピコピコ少年』シリーズは、その原材料をまな板の上に置いた厨房だ。
主人公のピコピコ少年こと神崎良太=”作者の押切さんご本人”のゲームにまつわる思い出を切々と語る連作も、いよいよ3巻目。

主人公の”暗い青春を救ってくれたゲーム”――ととらえるのは、「最近の若者はゲームと現実の区別がつかない」と説教する人と同じ過ちを犯している。ゲームは現実と仕切られた避難所ではなく、現実に包囲されたゲーマー生活の一部だったから。

小学生の頃に遊び倒したちびっこランド、閉園の数日前に新幹線に乗る中年2人。この時の様子は『超超ファミコン』(太田出版)にルポが収録されてます! 著者(共著)は、本レビューのライター多根清史さん。作中にも少しだけ登場しています。

小学生の頃に遊び倒したちびっこランド、閉園の数日前に新幹線に乗る中年2人。この時の様子は『超超ファミコン』(太田出版)にルポが収録されてます! 著者(共著)は、本レビューのライター多根清史さん。作中にも少しだけ登場しています。

ピコピコ少年が育った80年代~90年代は、ゲームは家のテレビにつなげる据え置きハードか、ゲームセンターにあるアーケードゲームが主だった。
前者は家族の目に晒され、後者は不良がたむろしたり生活指導の教師が巡回する悪所。お金も時間もかかり、放課後は部活にも入らずゲーセンか家に直行し、ほとんどのクラスメートと時をともにできない。
ゲームを遊ぶことは「ゲームを遊ぶ生き方」を選ぶことだった。

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単行本情報

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