しかしヲタクが「売り」のこのマンガ。ときにネタが濃すぎて、正直わからないものも満載。
読みつつ萌えつつ笑いつつ、何回検索したことか。でもそれも、このマンガの味わい方のひとつ。
同時進行でネタが全部理解できた人、ちょっと自慢していいんじゃないかな。

可愛い恰好でも目がすわってる。既視感にうなずいたあなたはコミケ経験者ですね？　ネタはそう、今流行りの刀のアレですよ。

ヲタクという人種は、比較的リアルコミュニケーションを忌避する傾向にあり、萌えツボが明確であり、なおかつそれぞれに濃ゆい「俺の嫁」がいるという特徴がある。
しかしこれを言い換えれば、人づき合いが苦手で、好きなものは好きだと断言し、好みのタイプがやたらとはっきりしている――ただこれだけだ。
どこが普通と違うのだろう？

誰だって、相手の好みのタイプが自分とずれていたら気にするだろうし、同じ趣味を通じて出会ったのなら、趣味が合うから楽だとか、ほかに探すのが面倒だから付き合ってるだけなんじゃないか、と思ったりもするだろう。
ヲタ系の言葉やシチュエーションに幻惑されがちなこのマンガだが、そこから一段深くなかを覗いてみると、じつは誰にでも思い当たる心の動きを描いた恋愛マンガなのだ。

不器用な成海の告白。でも宏嵩のリアクションｗｗｗｗ　ネタはアニメゲームだけじゃない。幅広すぎるよ。

ひとつ言えることは、自分を偽らない恋愛のほうが幸せになるということ。
それは、このマンガに出てくるカップルたちを見ていても一目瞭然だ。
恋人に本音を隠しちゃいけません。お互い、本当につらい目に遭うから。

さて次の巻は、どんなネタで攻めてくるのかワクワクしてしまうこの作品。
今回は紹介しなかったけれど、成海と宏嵩以外のメインキャラ、宏嵩の先輩・樺倉（かばくら）と、成海の同僚・小柳の関係も、萌えポイントとして見逃せない。

そして、読みつつその場で笑えるように、もうちょっと自分もネタを仕入れておかないとな！

『ヲタクに恋は難しい』著者のふじた先生から、コメントをいただきました！

著者：ふじた

このたびは、「このマンガがすごい！」にお選びくださり、まことにありがとうございます！
正直「このマンガでいいのか！」という思いでいっぱいですが、今後も地道にがんばります！

＜文・山王さくらこ＞
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系＆スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」