このマンガがすごい!WEB

一覧へ戻る

【11月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編】今月の1位はドラマも始まったアノ作品!

2015/10/20


第7位(80ポイント)

『なぎさにて』 新井英樹

nagisanite_s01

『なぎさにて』
新井英樹 小学館

2011年。南アフリカ共和国・ケープタウンに天まで伸びるほど巨大な「豆の木」のごとき不思議な木が生えた。破裂すると対抗手段がないほど毒性の強い樹液を噴き出すこの木が日本でも発見され、世界は終末へと加速し始める。

どこにでもいる普通の家庭に生まれた主人公・杉浦渚の目を通して描かれる“世界の終わり”。
様々な問題作で、読者にある種の決断をつきつけてきた著者の最新作は、あいかわらずセンセーショナルに私たちを刺激します。

オススメボイス!

■テーマとタイトルから『渚にて』(ネビル・シュートの小説。1959年にグレゴリー・ペックで映画化)のオマージュとわかる。3.11直後、誰もがあれほど世界のことや生き方について考えたのに、あれから事態はさほど好転していないのにもかかわらず、あたかも「喉元すぎれば」的に「なかったこと」にしているいまの状況に冷や水を浴びせかけるような作品(加山竜司/フリーライター)
3.11以降の日本を思わせる「終末世界」。未来に希望を持てない世界で人はいかに不条理と向き合い、リアルな実感を持って生きれるのか? 近未来SFというスタイルを取りつつも、ストレートで骨太なホームドラマとなりそうで楽しみ(井口啓子/文化系ライター)
■核(コバルト)爆弾により北半球が放射能汚染より壊滅した世界を描いた作品タイトルを引用しているであろうことからも、ビーンストークがなんの比喩なのか自明かと。同じ設定を園子温監督ならどう描くかな、と想像してみたりしつつ、絶望のなかで人はどう生きるべきなのかを問う、我々にとってじつはもうひとつの現実なドラマがたしかに描かれている(今村方哉/レコード会社勤務)
■「世界が終わる」状況がせまったとき、世間は、家族は、日常はどう変わるのか? フィクションとして何度も描かれてきた設定なのに、そこは新井秀樹。「自分ごと」として突きつけられるような、リアルな描写が一線を画しています。崖っぷちの「ホームドラマ」が今後どうなるかめちゃくちゃ楽しみ(梅本ゆうこ/ブログ「マンガ食堂」管理人)


第8位(74ポイント)

『碧いホルスの瞳 -男装の女王の物語-』 犬童千絵

aoiHOLSnoHitomi_s01

『碧いホルスの瞳 -男装の女王の物語-』
犬童千絵 KADOKAWA

男性が王座(ファラオ)につくことが当たり前だった古代エジプトの世界において、珍しい女性ファラオとして統治した“男装の女王”ハトシェプストの激動の生涯を描く。

『乙嫁語り』(森薫)や『ジゼル・アラン』(笠井スイ)など、強烈な個性をもってその運命を生き抜く女性を描く作品の多いマンガ誌「ハルタ」において、期待の新鋭作家が鮮やかに描き出すヒストリカル・ロマンに早くも期待が集まっています。

オススメボイス!

■古代エジプトを舞台にした女ファラオの半生を描く歴史ロマンもの。強い女性として描かれているハトシェプスト。諸説ある人物像を、犬童先生がどう料理して彼女をファラオにしていくのか楽しみです! また小物や時代背景なども魅力的ですので、気になったらぜひ手に取ってほしい作品です!(麻野昌三/わんだ~らんどなんば店店長)
■世界観、画風どれをとってもオススメ! 古代エジプトに興味がある方は特にオススメ! 犬童先生の代表作になること間違いなし。トトメス兄ちゃんにハマる女性がこれからどんどん出てきそう。(薄い本的な意味で)エジプトということで……メジェド様とのコラボ……こないかなぁ……(福泰幸/丸喜久屋書店漫画館京都店 店長)
女の子がのぼりつめてく話好きです! おもしろい!(吉村ルミ/芳林堂書店高田馬場店)


第9位(58ポイント)

『誰でもないところからの眺め』 いがらしみきお

daredemonaitokorokarano_s

『誰でもないところからの眺め』
いがらしみきお 太田出版

震災後の東北地方。4年間をこの地で生き抜いてきた人々は、一見平穏な日常を取り戻したかのように見えた。しかし、彼らはいまだ収まることのない余震や癒しきれない大きな傷を抱えながら、生きていかなければならないのだった。

未曽有の不幸が襲った土地にふたたび蔓延する不安と、わずかな希望にすべてをかけ、戦い続けるリアルな人々の姿に、心が揺さぶられます。

オススメボイス!

■発表する作品がだいたい問題作であるいがらしみきおさんですが、これは相当なものだと思います。なにが怖いのかわからないのに怖くてしょうがないホラーです(すけきょう/ブログ「ポトチャリコミック」管理人)
■震災から数年後の東北。余震は続き、住民たちに異変が生じる。その徐々に狂っていく様はリアルなのであるが、この前に描かれた『I 【アイ】』同様、答えは読者に委ねられた形になっている。震災、災害、戦争に終わりはなく、もはや戦後ではないの「もはや」は本来ネガティブな意味であったように、終わりなき苦しみのなか、人とは何かを問う作品(今村方哉/レコード会社勤務)
■『I 【アイ】』の続きのような、よりいっそう深化していったようなマンガ。「わたし」とはなんぞや……。元気なときに読まないと、ぐったりすると思います(かとうちあき/「野宿野郎」編集長(仮))

「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!


第10位(44ポイント)

『亜人(デミ)ちゃんは語りたい』 ペトス

DEMIchanhaKataritai_s02

『亜人ちゃんは語りたい』
ペトス 講談社

ヴァンパイア、デュラハン、サキュバス、雪女といった人ならざる者たち「亜人(デミ)」が生きる世界で、高校教師の主人公・高橋鉄男が亜人の生徒や同僚たちと会話しながら、彼女たちへの理解を深めていく人外ラブコメ。

5月の「このマンガがすごい!」オトコ編ランキングで堂々第1位を獲得した作品の続巻。期待を裏切らない構成力で、読者の心をつかみ続けています。

オススメボイス!

■まぁ、妖怪学校を舞台にしたラブコメというじつにベタな作品なんですが、そのベタベタさがすばらしいかと。タイトルが、まったく本作とは関係ない話題作『亜人』と偶然なのか被っちゃってるのも、趣深いですよね(境真良/国際大学GLOCOM客員研究員)
■ちょっと思いつかないようなところで論理のキャッチボールが成立していて、気持ちがよい。話題作の第2巻だが、今回もかゆいところに手が届く。この不思議な読み味は本当に貴重なものだと思う。笑いのなかにペーソスがあって、とても上品なバランスに仕上がっている(raven/ディレッタント)
■「ヤンマガサード」の看板作品に到達した感がありながら、変わらない空気が心地よい(黒鈴/電子書店スタッフ)

「ロングレビュー」でのご紹介は、コチラ!

「日刊マンガガイド」での既刊(第1巻)ご紹介は、コチラ!


「このマンガがすごい!WEB」アンケートご協力者一覧

粟生こずえ(編集者・ライター)【URL】/ アキミ(ブログ「ボーイズラブを読む!」管理人)【URL】/ あきやまかおる(声優・グラフィックデザイナー)【URL】/ 麻野昌三(「わんだ~らんど」なんば店 店長)【URL】/ 旭屋書店なんばCITY店 平田(「旭屋書店」コミック担当)【URL】/ 後川永(オタク系よろずライター)【URL】/ 井口啓子(文化系ライター)【URL】/ いけさん(ブログ「いけさんフロムエル」管理人)【URL】/ 一ノ瀬謹和(ライター)/ いづき(ブログ「おとよめ」管理人)【URL】/ 稲垣高広(ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」管理人)【URL】/ 犬紳士(養蜂家)【URL】/ 犬山紙子(ライター)/ いのけん(麻雀マンガブログ管理人)【URL】/ 今村方哉(レコード会社勤務)/ 岩下朋世(相模女子大学講師)/ 卯月鮎(書評家・ゲームコラムニスト)【URL】/ 梅本ゆうこ(ブログ「マンガ食堂」管理人)【URL】/ エロ上司(「とらのあな」商品課 バイヤー)【URL】/ 大黒秀一(エンタメ系ライター)【URL】/ 太田和成(「あゆみBOOKS」五反田店 コミック担当)【URL】/ オオタシンイチ(カメラマン・編集)/ 大西祥平(漫画評論家)/ 小田真琴(女子マンガ研究家)【URL】/ かーず(「かーずSP」管理人)【URL】/ ガイガン山崎(暴力系エンタメ専門ライター)【URL】/ kaito2198(海外翻訳者)【URL】/ かとうちあき(「野宿野郎」編集長(仮))【URL】/ 門田克彦(門田克彦/よるのひるね 出版・古本カフェ的店舗)【URL】/ 紙屋高雪(ブログ「紙屋研究所」管理人)【URL】/ 加山竜司(フリーライター)【URL】/ 川原和子(マンガエッセイスト)【URL】/ 紀伊國屋書店新宿本店(新宿区書店)【URL】/ 稀見理都(エロマンガ史研究家)【URL】/ Captain Y(アメコミブロガー)【URL】/ きんどう zon(電子書籍まとめサイト管理人)【URL】/ 久芳俊夫(「MANGART BEAMS T」ディレクター)【URL】/ 倉持佳代子(京都国際マンガミュージアム研究員)【URL】/ 黒鈴(電子書店スタッフ)/ 黒谷貴清(フリー編集者)/ KT.(マンガと装丁の紹介ブログ「良いコミック」管理人)【URL】/ 劇画狼(漫画始末人/「おおかみ書房」代表)【URL】/ 小林聖(フリーライター)/ 小林美姫(フリーエディター/ライター)【URL】/ 小山まゆ子(フリーランス編集/ライター)/ ゴロー(AV男優)【URL】/ 塞神雹夜(悪魔祓師)/ 境真良(国際大学GLOCOM客員研究員・経済産業省国際戦略情報分析官(情報産業))【URL】/ ササナミ(ブログ「雑食商店街3373番地」管理人兼書店員)【URL】/ さすらい(ブログ「(怒りの以下略)」管理人)【URL】/ 侍功夫(映画評誌「Bootleg」代表/映画ライター)【URL】/ 澤水月(報道勤務/ライター/mixi平山夢明コミュニティ管理人)【URL】/ 四海鏡(石ノ森ファン)【URL】/ 東雲騎人(イラストレーター)/ 芝原克也(日本出版販売 コミックチームチーフ)【URL】/ じゃまおくん(「BLACK徒然草」管理人)【URL】/ 白峰彩子(書誌屋)【URL】/ 杉村啓(料理マンガ研究家)【URL】/ 杉山陽一(「COMIC ZIN」秋葉原店 コミックバイヤー)【URL】/ すけきょう(ブログ「ポトチャリコミック」管理人)【URL】/ soorce(オヤジ漫画系ブロガー)【URL】/ 滝川レイ(フリーカメラマン)/ 竹下典宏(「まんだらけ」コンプレックス 店長)【URL】/ 多根清史(ライター)/ 種村理沙(「KYTIMKYM」管理人)【URL】/ たまごまご(ライター)【URL】/ ちょうあゆ(編集)【URL】/ 塚本浩司(「COMIC ZIN」商業誌部門責任者)【URL1】【URL2】【URL3】/ ツクイヨシヒサ(漫画評論家)【URL】/ 辻 真先(アニメ脚本家・ミステリ作家)【URL】/ てれびのスキマ(ライター)【URL】/ トシ(書店員)/ トロピカルあいこ(ライター)/ 永田希(書評家/マンガサロン「トリガー」店長)【URL】/ 名久井直子(ブックデザイナー)【URL】/ ナデガタ(漫画感想ブログ管理人)【URL】/ なみかわみさき(作家)【URL】【URL】/ 奈良崎コロスケ(博奕・マンガ・映画の3本立てライター)【URL】/ 野田謙介(マンガ研究者・翻訳者)/ 野中モモ(ライター)/ 八戸(4コマレビューブログ「素晴らしい日々」管理人)【URL】/ happysad(「マンガ一巻読破」管理人)【URL】/ 浜波孝至(「BOOKSなかだ」魚津店 営業担当)【URL】/ 早川博志(「恭文堂」コミッククラフト店)【URL】/ 廣澤吉泰(ミステリコミック研究家)/ V林田(咲-Saki-ファン)【URL】/ 福丸泰幸(「喜久屋書店」漫画館京都店 店長)【URL】/ 藤谷千明(フリーライター)【URL】/ 富士見大(編集・ライター)/ ふな(ブログ「はてなで語る」管理人)【URL】/ 冬蜂(風俗情報サイト「フーゾクDX」制作部)【URL】/ フラン(ブログ「フラン☆Skin」管理人)【URL】/ 穂高茉莉(楽器店店員)/ マキタマキナ((成年)漫画愛好家)【URL】/ マクガイヤー(ブログ「冒険野郎マクガイヤー」管理人/ニコ生主)【URL】/ 漫画トロピーク(謎の社会人漫画サークル)【URL】/ 水野(「有隣堂」コミック王国 主任)【URL】/ 南信長(漫画解説者)/ 宮川元良(「恵文社」バンビオ店 店長)【URL】/ 宮本直毅(ライター)【URL】/ 宮脇書店本店(コミック担当)【URL】/ もみちゃん(インターネットカフェ コミック担当)/ 森田真功(ライター/ブログ「Lエルトセヴン7 第2ステージ」管理人)【URL】/ 八尾美映子(「三省堂書店」神保町本店 コミック担当)【URL】/ 山内康裕(「マンガナイト」代表)【URL】/ 山口貴士(弁護士)【URL】/ 山田幸彦(ライター)【URL】/ 山脇麻生(ライター&編集者)【URL】/ 吉田アミ(文筆家/音楽家)【URL】/ 吉村和真(京都精華大学 国際マンガ研究センター センター長)【URL】/ 吉村ルミ(「芳林堂書店」高田馬場店)/ リブロ池袋本店(豊島区書店)【URL】/ りる(感想系ブログ「空夢ノート+」管理人)【URL】/ raven(ディレッタント)【URL】/ ロマン優光(ミュージシャン/ライター)【URL】/ 渡辺淳之介【JxSxK】(アイドルプロデューサー)/ 渡辺水央(ライター)/ 和智永妙(ライターたまに編集) ほか


⇒⇒⇒ランキング「オンナ編」も要チェック!!


単行本情報

  • 『孤独のグルメ』第2巻 Amazonで購入
  • 『3月のライオン』第11巻 Amazonで購入
  • 『雪花の虎』第1巻 Amazonで購入
  • 『僕たちがやりました』第1巻 Amazonで購入
  • 『龍の進撃 山口正人、魂の任… Amazonで購入
  • 『ホーリータウン』 Amazonで購入
  • 『なぎさにて』第1巻 Amazonで購入
  • 『碧いホルスの瞳 -男装の女王… Amazonで購入
  • 『誰でもないところからの眺め』 Amazonで購入
  • 『亜人ちゃんは語りたい』第2巻 Amazonで購入

関連するオススメ記事!

アクセスランキング

3月の「このマンガがすごい!」WEBランキング