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『雪ノ女』(相澤亮)ロングレビュー! 第6回『このマンガがすごい!』大賞 最優秀作! モノクロームのエロスとリアルに酔う

2015/12/19


話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!

今回紹介するのは『雪ノ女』

『雪ノ女』著者の相澤亮先生から、コメントをいただきました!

著者:相澤亮(あいざわ・まこと)

語り下手な僕のマンガをここまで読み取っていただいてとてもありがたいです。
描き方はまったく現代的ではないですが、今を生きる読者の皆さんにもおつきあいいただければ幸いです。

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『このマンガがすごい! comics 雪ノ女』
相澤亮 宝島社 ¥800+税
(2015年12月10日発売)


「わたしに殺されたい?」という帯コピーと、こちらを見上げる情念あふれる女の横顔に、なんだかな~……と躊躇している人がいたら、「そういうんじゃないから!」と教えてあげたい。
現在「このマンガがすごい!WEB」で試し読みマンガを掲載しているので、まずは自分の目で見てみてほしい。

雪山で遭難した酒井の前に現れた「雪女」。同僚の命を奪った彼女は彼を見て「さびしそうな顔……」とつぶやき、もし今夜のことを誰かに話したら酒井を殺すと言って彼を見逃し、立ち去った……。

この予言にも似たセリフ、吸いこまれそうな深い瞳……。まさに「雪女=ファムファタール(運命の女)」なのだ。

この予言にも似たセリフ、吸いこまれそうな深い瞳……。まさに「雪女=ファムファタール(運命の女)」なのだ。

昔話としてもおなじみ、小泉八雲の「雪女」をベースに、現代に生きる男女の出会いと別れを、その子どもらに至るストーリーとして描き出した本作。

水墨画のようにモノクロームの濃淡で描き出される、夜の闇の深さや雪の白さ。しんと張りつめたような静寂、なめらかな肌の感触やあたたかな体温までもが伝わってくる、幻想的な世界観の描写に、まず引きこまれる。
人と関わることが苦手でなんの生き甲斐もなく、ただ淡々と生きていた自衛官の酒井と、人里離れた山のなかでひっそりと暮らしていた、ゆき。 孤独なふたつの魂が出会い、冷えた心と体を抱き合い、初めてこの世界で生きてゆく意味を発見するシーン。その抑制された描写の生々しさ、静かな高まりにぐっとくる。

雪女が人間として酒井の前に姿を現す直前のシーン。よけいなセリフや説明はいっさいないからこそ、酒井への秘めた思いや覚悟が、ひしひしと伝わってくる。

雪女が人間として酒井の前に姿を現す直前のシーン。よけいなセリフや説明はいっさいないからこそ、酒井への秘めた思いや覚悟が、ひしひしと伝わってくる。

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