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『ゴールデンカムイ』(野田サトル)ロングレビュー!マンガ大賞受賞で絶好調!! ヒンナなアイヌグルメを食しつつ、金塊の謎を知る男“のっぺらぼう”を追う!

2016/05/11


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札幌編と茨戸編を経た最新7巻は、白石がつかんだ情報をもとに日高へ向かう杉本たちにカメラが切りかわる。
日高といえば馬産が有名、その手前の苫小牧では、まさかの競馬編に突入だ。さらに日高では馬を襲う赤毛のモンスターと杉元たちが対峙する。
日高到着時点で網走までは300キロメートルほど。長く険しい道程は、まだまだ続いていく。

日高では3頭のヒグマと家屋のなかで対決。手に汗握る接近戦に興奮度マックス!

日高では3頭のヒグマと家屋のなかで対決。手に汗握る接近戦に興奮度マックス!

序盤におもしろさ全部乗せと書いたが、本作は「冒険(バトル)」「歴史(ロマン)」「狩猟(グルメ)」の3本柱で構成されている。
莫大な金塊と入れ墨に記された暗号を巡る冒険とバトルアクション、新撰組や日露戦争、アイヌを掘り下げる歴史ロマン、さらには雄大な北の大地と海に生息する獣たちとの闘いと、彼らをおいしくいただく狩猟グルメ。

この3つが、それぞれのリズムを持ち、組みあわさることで独特のグルーブを生み出している。
数ページ前まで猛獣と命の削りあいをしていた杉元が、倒した獣の血肉を口に入れ、弛緩した表情で舌鼓を打つ。この緩急こそが、読者に高い中毒性をもたらす要因となっている。

日高の海岸でアザラシを仕留めてクッキング。もちろん脳みそもヒンナヒンナとおいしくいただきます(白石の距離感に注目)。

日高の海岸でアザラシを仕留めてクッキング。もちろん脳みそもヒンナヒンナとおいしくいただきます(白石の距離感に注目)。

新連載が始まる直前につけられたキャッチは、「生きるとは戦いだ。気高き北の大地でその命の意味を問う」。
3巻でオス鹿を仕留めそこなった杉元に、アシパはこう言い放つ。
「最後まで責任が持てないなら最初から撃つな」
「私たちや動物たちが肉を食べ、残りは草木となり、大地の命に置き換わる」
「鹿が生きぬいた価値は消えたりしない」
「全部食べて、全部忘れるな!」
「それが獲物に対する責任の取り方だ」。

超ド級エンターテインメントの土台には「生きること。殺すこと。食べること」の根源的な意味を読者に突きつける、ぶっといテーマが鎮座している。
このマンガ、無敵だ。

『ゴールデンカムイ』著者の野田サトル先生から、コメントをいただきました!

著者:野田サトル

「四本目の太い柱があるとすれば、それは「男根」です。
男根の細い、どこに入れたらいいか思い悩むような
中性的で弱い男たちの時代は終わりです。
全裸のたくましい男たちが刺青人皮を奪いあう。
蘇民祭でいうところの麻袋です。
ゴールデンカムイ=蘇民祭です。」



<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てライター。4月23日公開『アイ アム ア ヒーロー』の劇場用プログラムに参加しております。
観てね!

単行本情報

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