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【9月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編】第1話がとにかく大反響を呼んだ、あのWEBマンガが単行本化! オトコ編第1位は……

2016/08/20


第4位(110ポイント)

『ペリリュー 楽園のゲルニカ』 武田一義(著) 平塚柾緒[太平洋戦争研究会](協)

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『ペリリュー 楽園のゲルニカ』
武田一義(著) 平塚柾緒[太平洋戦争研究会](協) 白泉社

太平洋戦争の激戦地・ペリリュー島を舞台にした戦記マンガ。
漫画家志望のおとなしい青年・田丸一等兵は、サイパン・テニアン・グアムと玉砕が続くなか、マリアナ諸島戦線のペリリュー等に配属される。美しい南洋の楽園に心はずむ田丸だが、同僚の小山一等兵は「この島から生きて帰れるとは思えない」という。

三等身のかわいらしいキャラクターが送る闘病生活の様子や、生き別れた父と息子の奇妙な親子関係など、絵柄に隠された辛辣なリアリティで話題を呼んできた作者の最新作。
牧歌的なペリリュー島が最終的にどのような悲劇に見舞われるのかはすでに歴史が証明していますが、はたして武田一義はどう描くのか?

オススメボイス!

■第二次世界大戦の南方戦線を舞台に、一兵卒が何を思い、どう行動していたか。デフォルメされたキャラクターで描かれるだけに、戦争の恐ろしさは際立つ。死亡報告は「フィクションとしての戦争」であったというのもまた……(soorce/オヤジ漫画系ブロガー)
■現代読者に入りこみやすいようにして微妙に戦史をリサイズしている。「玉砕戦に自分たちが参加したら」というところに持っていってくれると期待している。(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■『さよならタマちゃん』武田一義先生の描くペリリューの戦い。おなじみのかわいらしい絵柄によって戦争の悲惨さが緩和されるどころか、むしろエグるように刺さる。読むのがつらいけど、最高におもしろい(芝原克也/日本出版販売株式会社ほんのひきだし編集部)
■3頭身の一見かわいく見えるキャラクターたちが残酷な戦場へ駆りだされます。そして読みやすく改変された物語は、現代のわたしたちをも戦場に連れていってくれるのです。もちろん現代でもわかりやすく改変したのであって、歴史の大筋の変更はありません。念のため(早川博志/恭文堂コミッククラフト店)
■かわいい3頭身絵でペリリューの激戦を描く。昨年天皇が訪れ、NHKでも特集された島での「玉砕を許さず引き延ばす」残酷すぎる作戦。めぐらせた塹壕は米軍も翻弄する。米兵も友もあまりにあっけなく死に際し稚(おさな)い。「戦闘」でない無駄死にを名誉の戦死に書きかえ遺族に送る漫画家志望者が主人公。文系が物心とも役立たずと追われ、へめぐる地獄と自然美との対比は、水木しげる『総員玉砕せよ』、塚本晋也監督の『野火』に非常に通じる(澤水月/報道勤務、ライター、平山夢明mixiコミュニティ管理人)
■ペリリュー島でのお話です。若い世代に読んでほしいです(旭屋書店ばんばCITY店 平田/旭屋書店ばんばCITY店 コミック担当)

「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!


第5位(96ポイント)

『盆の国』 スケラッコ

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『盆の国』
スケラッコ リイド社


亡くなった生き物が「あちらの世界(常世)」から「こちらの世界(浮世)」に帰ってくるお盆。帰ってきたご先祖さま=おしょらいさんを見ることができる中学3年生・秋。
中学最後の夏休み、ささいなことで親友と仲たがいした秋は8月15日の夜、空をおおう大きな渦に吸いこまれそうになったところを浴衣姿の白髪の男性に救われる。
恐怖のあまりその場を逃げ去った秋だったが、翌日起きてみると、その日はなんと「8月15日」のままだった……。

霊が見える少女が「このままずっとお盆だったらいいのに」と思ったことがきっかけで始まるひと夏の不思議な体験。
白髪の男=夏夫の正体や「8月15日」がループを続ける世界のしくみなど、謎がときほぐされていく様子と、少女=秋の心の動きがていねいに描かれました。まさに夏にぴったりの作品です。

オススメボイス!

■ジブリアニメを喚起させるユーモラスでファンタジックな世界観がたまらない。『時をかける少女』×『思い出のマーニー』な感じもありつつ、多感で夢見がちで繊細な少女の季節の終焉を、ほっこりイマジネイティブに描いた、甘酸っぱくせつない「ひと夏の青春SFジュブナイル」(井口啓子/文化系ライター)
■これはすごいなー。お盆に毎年読み返したくなる名作です!(かとうちあき/「野宿野郎」編集長(仮))
■お盆がおわってしまうのはつらい……。この作品を読むと、お盆が恋しくなります。こんなひと夏の思い出、味わってみたいですね(滝川レイ/フリーカメラマン)

「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!

第6位(82ポイント)

『碧いホルスの瞳 -男装の女王の物語-』 犬童千絵

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『碧いホルスの瞳 -男装の女王の物語-』
犬童千絵 KADOKAWA


今から約3500年前、古代エジプトに実在し、つけひげや男装をしてエジプトを治めたという逸話が残る女性ファラオ(王)・ハトシェプストを主人公とする大河歴史マンガ。
トトメス1世の第一王女・シェプストは、男まさりで剣にもひいでたおてんば王女。異母兄・セティ(トトメス2世)結婚するものの、本来女性が就けるはずのないファラオの位に就かなければならないと思うようになる。

最新第2巻では、ファラオになる決心をしたシェプストとトトメス2世との水面下での権力闘争がさらに激化。
トトメス2世だけでなく愛妾・ソティスもシェプストを追いつめて、内外に敵が増えていくシェプストのファラオへの道に注目が集まりました。

オススメボイス!

■クレオパトラより前の時代のエジプトで玉座を目指す少女の物語。理想はあってもまだ現実が見えきれておらず、決断を誤って取り返しのつかない事態になりもしますが、それでも前進しようとするたくましさとひたむきさが素敵です(アキミ/「ボーイズラブを読む!」管理人)
■やっと発売しました第2巻!! 読まなきゃ人生損しています!!(旭屋書店ばんばCITY店 平田/旭屋書店ばんばCITY店 コミック担当)
■国を変えようと奮闘するシェプストの姿は、かわいらしくもりりしい。エキゾチックな古代エジプトの描きこみもいい(卯月鮎/書評家・ゲームコラムニスト)
■あいかわらずの美麗な絵に心躍るエジプトの話。まだまだ話はこれからなので楽しみ(福丸泰幸/喜久屋書店漫画館京都店 店長)

「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!

単行本情報

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  • 『双亡亭壊すべし』第1巻 Amazonで購入
  • 『ペリリュー 楽園のゲルニカ』 Amazonで購入
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  • 『碧いホルスの瞳 -男装の女王… Amazonで購入
  • 『ピンキーは二度ベルを鳴らす… Amazonで購入
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