『第13保健室』第1巻
あおやぎ孝夫 小学館 \552+税
（2014年11月12日発売）

小中高一貫校の燕舞台学園。ここには12の保健室がある。
養護教諭たちは、毎年ランキングが付けられる。年間を通じてどれだけの生徒に支持されたのか。その結果によって、第1から第12保健室までの席次が決まる。
養護教諭たちは、順位のために様々な施行をこらす。SM女王様お仕置き系養護教諭、セレブリティお嬢様豪華絢爛養護教諭。
……この設定、拍手をしながら「ばかじゃないの!?」と言いたい。

今まで生徒や先生が戦うマンガはいくつもあった。しかし養護教諭だけが争うというのは史上初。
たとえば人気4位のアイドル養護教諭のモコちー。ファンの生徒たちは、彼女のもとに応援……治療を受けにいく。そんな露骨でいいのか。
じつは彼女の保健室に来ている生徒たちは、ほとんどが不登校。モコちーに会いたいと登校するようになったのだ。

元12番目のだらしない自然体養護教諭・椿は、保健室とは何か、という問いに「オアシスじゃないですか？」と言う。
あの手この手を尽くす特殊系養護教諭のなか、新任の南園若葉は至って正攻法な保健室で勝負する。
おかしな舞台設定の裏には、養護教諭はなぜ必要なのか、生徒への癒しとは何か、というテーマが隠されている。

とはいえ、やっぱり超人養護教諭たちがドシドシ出るのが見たい。現時点でまだ出ているのは数人。1位はどんな人なのか……。 椿はいつも、ぱんつに白衣。「保健の先生」と聞いてときめく人なら、読んで損はない。ぼくなら半裸の椿先生のところに行くけどなー。

＜文・たまごまご＞
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」