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『MASTERキートン Reマスター』浦沢直樹(著)長崎尚志(作) 【日刊マンガガイド】

2014/12/23


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『MASTERキートン Reマスター』
浦沢直樹(著)長崎尚志(作) 小学館 \700+税
(2014年11月28日発売)


探偵、保険調査員、考古学者、大学教員、そして英国特殊部隊SAS元隊員で元教官……。多彩な肩書きを持つ平賀・キートン・太一には夢があった。それは幻のドナウ文明を立証するための発掘。
夢実現のために探偵稼業にいそしむキートンの、重厚かつ感動的な人間模様で多くの読者を魅了した、あの『MASTERキートン』が帰ってきた!!

前作の舞台は冷戦時代末期。物語の最後で夢叶ったキートンが、発掘を楽しむ姿に感動した人も多いはず……。ところが世間は甘くない!?
あれから20年、学会に否定されたキートンは博士号を得られず、いまだ学説立証に苦心していた。そんななか、廃業した探偵の残務を押しつけられたキートンは、再び世界各地に赴くことに。

旧ソ連圏女性の人身売買に関わった、意識不明の謎の男の素行調査でイタリアへ。
偶然見つけた他人の古い手紙を届けたいと言う、いかがわしいクロアチア人の護衛のためクロアチアに。
命を狙われる元ロンドン警視庁対IRAスパイからの、とある依頼はアイルランドから。
大昔に失踪した父の謎を知りたいという女性の依頼では、ロンドンで冷戦時代の負の遺産が露見することに……。

卓越した知識とサバイバル術、そして深い情で物事を解決するキートンだが、彼自身にも問題が降りかかる。
親しい教授に出会えば長年の愛に悩む姿を見てしまい、女好きな父の太兵からは知人女性の警護を頼まれ、考古学者となった娘の百合子は突然離婚してしまう。
そしてフォークランド紛争の戦友たちには、謎の死が降りかかる。

1話完結タイプのストーリー展開のなか、キートンが抱える悩みや想いの霧が少しずつ晴れていくさまは、前作同様グイグイと引きつける魅力がある。世界情勢や歴史を背景にしたリアリズムも、外国人を描き分けるのが得意な浦沢の絵もあいまって、健在だ。
あえて注文があるとすれば、僕らのキートン先生にはぜひ、考古学の幸せに包まれていてほしい!



<文・沼田理(東京03製作)>
マンガにアニメ、ゲームやミリタリー系などサブカルネタを中心に、趣味と実益を兼ねた業務を行う編集ライター。

単行本情報

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