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『ぼくらのへんたい』第7巻 ふみふみこ 【日刊マンガガイド】

2015/02/28


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『ぼくらのへんたい』第7巻
ふみふみこ 徳間書店 \620+税
(2015年2月13日発売)


 

女装癖のある3人の男子中学生を中心に、思春期の揺らぎまくる「性と愛」を描く話題作『ぼくらのへんたい』の最新刊。

純粋に女の子になりたい、俗にいう性同一性障害のまりか=青木裕太。
死んだ姉の身がわりに母親を慰めるため女装することを選んだ、ユイ=木島亮介。
幼少期のトラウマから男に求められるままに身体を許し、相手のために女装してきたパロウ=田村修。

ともに女装をする「男の娘」ではあるが、その動機や抱える思いはそれぞれに異なるのが、なんとも現代的であり、深イイ。
3人は悩みや孤独を共有するうちに、少しずつトラウマから抜けだし、「本来の自分」になるため一歩を踏みだすと同時に、互いへの恋愛感情を意識しあうようになるが、それらはすべて一方通行の切ない片想いで……。

本巻では、ついに「女の子」として生きることを決意したまりかが、パロウに変わらぬ思いをぶつけ、まりかの言葉に動揺したパロウと、もう女装する必要がなくなったユイにも微妙な変化が起こり――。

ぱっと見には同じように見えても、セクシャリティのかたちはやはり人の数だけ存在するわけで。
状況や相手によっていとも簡単に変わったりもする、やわらかでゆらぎやすく曖昧なものなのだなあ……としみじみ。と同時に、ふと我が身をふり返ったりもして。
周囲の人物の想いも複雑に交錯してきて、まだまだこの先、どうなるか目が離せない!

「性と愛」という一大テーマを、いまだかつてない視点で掘り下げる、愛すべきへんたい(ダブルミー二ング!)の物語。未読の人も今からぜひ。



<文・井口啓子 >
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて『おんな漫遊記』連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69

単行本情報

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