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『イチゴーイチハチ!』第1巻 相田裕 【日刊マンガガイド】

2015/04/21


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『イチゴーイチハチ!』第1巻
相田裕 小学館 \552+税
(2015年3月30日発売)


『ガンスリンガーガール』の作者・相田裕の新作は、中学で野球をあきらめざるをえなくなった少年少女による、高校生徒会マンガ。
学園青春モノや野球モノを、コミティアなどで精力的に発表してきた作者、満を持しての新作だ。

タイトルの「15」とは、烏谷公志朗の中学校時代の背番号。投げれば三振、打てばタイムリーヒットの輝く選手だった。
「18」とは、生徒会長の中学時代の背番号。女子ながら野球部に混じっていた。
2人は今、野球を辞めている。烏谷は肘を酷使しすぎて、高校の野球部で甲子園を目指せるような状態ではなくなってしまった。
生徒会長は中1の烏谷に打たれまくって、男子と交ざってのプレイに限界を感じてやめざるをえなくなった。

そんな2人と、烏谷をたまたま応援席で見て感動していた新入生の丸山幸が、偶然にも生徒会にそろった。
もうあきらめよう、次のステップに進もう、と歯を食いしばりながら「野球」から「生徒会活動」に進もうとする。

全体の雰囲気は、特に生徒会長のあっけらかんとした行動のせいでとても明るい。
生徒会活動も、「アイス自販機を置くにはどうすればいいのか」を現実的にシミュレーションし、実行するなど、具体的でおもしろいものが多い。
学校も「松武(しょーぶ)魂見せろ!」というスローガンで燃え上がる、お祭好きな学校。とても楽しそうだ。

それでもなお、1巻はまだ湿っぽい。烏谷が野球を捨てきれていないから。
野球部時代の本気の笑顔を見たことのある丸山幸が、挫折した烏谷を引き上げようとする。
「野球とは違う楽しさが……きっとあるよ!」
丸山の見つけた目標は、「彼を心から彼を笑わせる」ことという、恋とも友情ともつかない不思議な関係。

本当に今後、マンガから「野球」色がなくなるのかはわからない。
この作品の第1巻のテーマは「諦める」。
それは、決して後ろ向きなことではない。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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