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『食戟のソーマ』第12巻 附田祐斗(作) 佐伯俊(画) 森崎友紀(協) 【日刊マンガガイド】

2015/05/09


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『食戟のソーマ』第12巻
附田祐斗(作) 佐伯俊(画) 森崎友紀(協) 集英社 \400+税
(2015年4月3日発売)


定食屋の息子・幸平創真が和・洋・中あらゆる美食のエリート学生ひしめく超名門料理学校でのしあがっていく料理バトルマンガ『食戟のソーマ』。
4月からはアニメ版がスタートしており、この第12巻の冒頭ではちょうどアニメ化を告知するキャラクターのかけあいとおまけカットが収録、さらに巻末コメントでも作者がアニメに期待する言葉をよせるなど、両メディアで歩調をあわせて盛りあがっている。

さて、1年生1学期のしめくくりとして新入生の最優秀生徒を決める大舞台「秋の選抜」を描いてきたここ数巻の流れは、今回でいよいよ佳境。
サンマ料理というお題を課され、食材の目利きからメニューの試行錯誤、そして料理を審査員に出す本番までが一気呵成に展開していく。

庶民的な食を土台にしながら創意工夫で極上の逸品を仕立てる創真。
スパイスによる香りで酔わせるレシピを極めた葉山。
厨房を戦場ととらえ、客の舌を屈服させる力強い料理をくりだす黒木場。
異例の三者対決となった決勝戦、それぞれの個性、生き方が皿のうえににどう反映されているか注目だ。

現在、週刊少年ジャンプの連載では、この秋の選抜の結果を通して創真が自分のなかにあるもの・足りないものひっくるめて向きあいながら新たな試練に挑み、ひと皮むけた境地に突入している。
前後の展開を大きくあわせて見ると、選抜編の決勝はいわば第1章のクライマックスのようなもの。
ドラマ的にとても重要なターニングポイントなのが後からますますわかってくる構成なので、本巻と次巻はぜひしっかり読み込んで、作品の行方を追いかける足がかりにしよう。



<文・宮本直毅>
ライター。アニメや漫画、あと成人向けゲームについて寄稿する機会が多いです。著書にアダルトゲーム30年の歴史をまとめた『エロゲー文化研究概論』(総合科学出版)。『プリキュア』はSS、フレッシュ、ドキドキを愛好。
Twitter:@miyamo_7

単行本情報

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