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9月6日は妹の日 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/09/06


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『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』第1巻
伏見つかさ(作) いけださくら(画) KADOKAWA ¥570+税


9月6日といえば、つい最近「松崎しげるの日」という謎の(?)記念日が制定されたことで話題になったりもしたが、いやいや、それよりもオタク界隈としては「妹の日」なる記念日であることを忘れてはならない……ような気がする。
もちろん、これも日本記念日協会に正式に認定されている記念日で、1991年に漫画家であり、『「妹の力」社会学』など兄弟姉妹に関する著作も多い畑田国男によって制定されたもの。
その由来は「妹の可憐さの象徴である乙女座の中間の日の1日前」という、なにやらだいぶこじらせた感じがなきにしもあらずな理由なのだが……。

それはさておき、マンガやアニメでは「妹萌え」という一大ジャンルが存在することは、もはや説明不要の共通認識だろう。
そもそも、まだ「萌え」という概念もはっきりしていなかった頃から属性としては存在していたものであり、それだけにキャラの立った妹が登場するマンガは、文字通りに枚挙にいとまがない。

そんなわけで、勝手にここで妹キャラのナンバーワンなど決めようものなら抗争が起きかねないことが予想されるので、ひとまずここは「妹と言えばこれ!」と言うべき作品である『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を推しておこう。

多くの人がご存じかとは思うが、あらためて軽く作品について紹介しておくと、もともと本作は伏見つかさによる2008年に刊行されたライトノベルがオリジナル。
そして、翌2009年の3月にはコミック化され、さらに2010年にはアニメ化もされ、さらに人気に拍車がかかることとなった。

『俺妹』が画期的だったのは、従来の「妹萌え」ジャンルの多くの作品とは違い、現実世界でよくあるような「妹にキツく当たられている兄」というリアルな関係が基本にあるということ。いわゆる「妹萌え」ジャンルの作品によくあるような、「おにいちゃん?」などと呼ばれることは決してない。
ところがじつは、ルックス抜群でリア充っぽい妹が隠れオタクであり、しかも当の妹が「妹萌え」(しかも18禁作品!)にハマっている──という、ややねじれた構造が本作のキモ。
つまりひとつの作品で、現実的な妹と、萌えジャンルとして定番化している妹の、どちらも描写されているのである。

そして、たまたまそんな妹の隠していた趣味嗜好を知ったことをきっかけに、いわゆる「一般人」の兄がオタク趣味の世界へと足を踏み入れていくわけだが、どちらかといえば「妹のために体を張ってがんばるお兄ちゃん」に萌えるという声も。

まぁ、それでも妹を中心に世界は回っているこの作品を読み、あらためて「妹の日」に注目しつつ、皆さんそれぞれの「推し妹」に想いをめぐらせるのもいいんじゃないでしょうか。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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