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『ノー・ガンズ・ライフ』第2巻 カラスマタスク 【日刊マンガガイド】

2015/09/19


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー! 今回紹介するのは『ノー・ガンズ・ライフ』。

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『ノー・ガンズ・ライフ』第2巻
カラスマタスク 集英社 ¥600+税
(2015年8月19日発売)


武器や兵器が美少女化されるのは今となっては当たり前だが、この『ノー・ガンズ・ライフ』は、なんと首から上がそのままリボルバーの銃頭男が主人公!
見た目はインパクト大で「ギャグマンガ!?」と思いきや、内容は硝煙と鋼の香りが立ちまくる正統派SFハードボイルドだ。

大戦後、機械のパーツを人間に付けて能力を増強する技術を施した「拡張者(エクステンド)」があふれる街。
銃頭の拡張者・乾十三は、暴走した拡張者が起こす問題を解決する「処理屋」を営む。そんなある日、拡張者の男からひとりの少年の保護を依頼される……。

第1巻では、十三と超巨大企業ベリューレン社に追われる少年・鉄朗が絆を結ぶまでのエピソードが描かれた。
そして最新2巻では、十三が後頭部にあるトリガーを鉄朗に引かせたのは、禁止条項の制限拡張兵器使用に当たるとし、拡張者を統括する復興庁が動く。

本作の魅力はなんといっても十三の存在感にある。
ヘビースモーカーで苦手なのは湿気とガキ。クールに徹しきれず人情家。美女には弱いが、口を開けば名ゼリフ連発!

顔は銃そのものなので無表情にもかかわらず、人間味があって感情豊かにさえ思えてくるから不思議だ。

美しき復興庁の局長・オリビエ、拡張者に敵愾心を燃やす復興庁の役人・クローネン、最初の拡張者であるメガアームド斎といったキーパーソンらも登場し、舞台は整った。

戦後の荒廃した街で、これからも十三の熱くて渋い戦いは続いていく。



<文・卯月鮎>
書評家・ゲームコラムニスト。週刊誌や専門誌で書評、ゲーム紹介記事を手掛ける。現在は「S-Fマガジン」(早川書房)でライトノベル評(ファンタジー)を連載中。
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単行本情報

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