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12月7日は「大雪(たいせつ)」 『ちちゃこい日記』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/12/07


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

12月7日は「大雪」。本日読むべきマンガは……。


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『ちちゃこい日記』第1巻
サワミソノ 双葉社 ¥620+税


12月7日は「大雪(たいせつ)」。「雪が激しく降りはじめる頃」という意味で、本格的な冬の訪れを示す暦である。

そこで紹介する本作は、初雪の日から始まる物語。
雪国に暮らす中学1年のユキコは、同級生より子どもっぽいのが最近の悩み。のどかな村から越してきた彼女は、“街の子”たちのファッションや恋の話に気後れしがちなのだ。

クラスメイトの女子たちが履いているのは“ブーツ”で、ユキコの足元は“長靴”というあたりにも、中学1年生らしい境界線が表れていてグッとくる。
おばあちゃんが編んでくれたニット帽からおさげをたらし、鼻の頭とほっぺを真っ赤にしているユキコは、まだまだ色気より食い気。焼き芋屋さんの声が聞こえると、あわてて飛び出す彼女はなんともかわいらしいのだ。

ユキコは母と高校生の兄との3人暮らしで、ひとりで過ごす時間も多い。
学校から帰ってダッフルコートについた雪を払い、手袋もはずさず台所でお湯をわかす。おやつと粉末のミルクココアを用意、ストーブに火を入れ、こたつのスイッチをオンにして……制服を着替えている間にやかんが沸騰する音が。
こんなふうに日常の幸せな瞬間の描写がそこここに散りばめられているのも見どころだ。

クリスマスの日に家の鍵を忘れ、かまくらを作って籠城するなど発想や行動は無邪気そのもの。
だが、できるだけ人に心配をかけまいとするユキコの横顔には、大人への階段を上る年頃の刹那の魅力があふれている。
ほのかに思いを寄せる男子と並んで歩く帰り道も、バレンタインデーの苦い想いもすべて雪のなか……。

初雪で幕を開け、桜咲く新学期で終わる本作を読みながら、冬ならではの風情をじっくり味わってみて。
寒~い冬はイヤだけど、季節が4つもある国ってすばらしい。
我々が自然から、いかにたくさんの豊かさを受けとっているかを実感してしまう作品だ。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

単行本情報

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