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2月7日は「復讐禁止令」が布告された日 『フリージア』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/02/07


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

2月7日「復讐禁止令」が布告された日。本日読むべきマンガは……。


FREESIA_s01

『フリージア』第1巻
松本次郎 小学館 ¥562+税


1873(明治6年)年2月7日、この日は明治政府が「復讐禁止令」(仇討ち禁止令)を布告した日。

それ以前の江戸時代では、武士階級に限られたものだったとはいえ、敵討ちは「公認」の風習。主君や肉親などを殺された者が「仇討ち」として番所に届け出て認められれば、なんと殺人が無罪となっていたのである。
おそらくもっとも有名な敵討ちといえば「赤穂浪士の討ちいり」だとは思うが、ほかにも数々の仇討ちの記録が残されており、確認されているだけでも129件にものぼるとのこと。

しかし時代が明治に移ると、さすがに近代国家として「復讐殺人OK」というのはいかがなものか? という風潮が支配的となり、刑の執行は国家機関だけがすることとなった……という次第。
もっとも、仇討ちが禁止になったのちも感情を抑えきれずにやっぱり復讐してしまう人は存在したし、量刑もかなり軽減されたりと、完全に仇討ちが認められなくなるまでには、さらにしばらくの時間を要したようですが。
ちなみに、現代は復讐殺人は減刑されるどころか、「計画的殺人」として重罪になりますのでご注意を。

そして本日紹介したい作品は『フリージア』。
こちらは「復讐禁止令」とは逆に、凶悪犯罪の被害者遺族が加害者に復讐することを許可する「敵討ち法」が成立した架空の現代(もしくは近未来の)日本を舞台とする作品。

主人公の叶ヒロシは地味~なルックスの眼鏡男子ながら、ハローワークからの推薦によって「敵討ち執行代理人」として人殺しを職業とすることになる。

なによりこの作品、下書きの線が重なったような独特のタッチが特徴。
不安と緊張を掻きたてるようなその筆致は、まさにストーリーと最高にマッチ。登場人物は主人公も含めてことごとくブッ壊れており、“低血圧バイオレンス”とでも呼びたくなる世界観は、好きな人にはたまらないところ。

というワケで、安易な復讐劇とは一味違う、命のやり取りを巡ってしだいに加速していく狂気を描いた『フリージア』は、「復讐禁止令」とは真逆の物語とはいえ、敵討ちの是非をいやがおうでも考えさせてくれることでしょう。

まぁ、どう考えたって明治政府の判断が正しいとしか思えないんですけどね。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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