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『ACCA13区監察課』第5巻 オノ・ナツメ 【日刊マンガガイド】

2016/06/16


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ACCA13区監察課』


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『ACCA13区監察課』第5巻
オノ・ナツメ スクウェア・エニックス ¥590+税
(2016年5月25日発売)


地方自治制をひくドーワー王国。国内は13の自治区に分かれ、各々が独自の文化を築いている。“ACCA”(アッカ)は警察・消防・医療・交通等をつかさどる巨大統一組織で、首都バードンに本部を置き、各自治区にある13の支部を束ねている。

本作の主人公であるジーン・オータスは、ACCA本部の監察課副課長で、バードンの中心街のセレブマンションに妹・ロッタと2人で暮らしている。ドーワー王国では高級品である煙草を常にふかしており「もらいタバコのジーン」の異名を持つ食えない男である。

ジーンは、ちゃらんぽらんに見えながら、やる時はやる“昼行灯”型の男である。忠臣蔵の大石内蔵助、『必殺仕事人』シリーズの中村主水、ゆうきまさみ『機動警察パトレイバー』の後藤隊長、あるいは米澤穂信『古典部』シリーズの折木奉太郎――といった我々が好きなタイプのキャラクターだ。

そんなジーンに、クーデターへの関与の疑惑が生じる。
本部・監察課の任務は、定期的に自治区に赴き、自治区の区長や本部の駐在員と面談するなどして、自治区の実態を調査することにあるのだが、本来の任務の合間に「クーデター派の橋渡しをしている」ととられたわけだ。

ACCAのトップにある「5長官」のひとり・グロッシュラー長官は、ジーンのクーデター関与を強く主張する。その一方で、「5長官」でありながら、グロッシュラーとは対立するリーリウム長官や、本部長のモーヴはジーンに信頼を寄せる。
そうしたACCA内部の暗闘に加えて、ACCAを廃止して王家による専制政治を目指すシュヴァーン王子や、各自治区の区長たちの思惑も絡んで、平和なはずのドーワー王国は、徐々にきな臭くなってくる。

第5巻では、ジーンとジーンの親友であるニーノの過去やクーデターの噂が流れた真相が明らかになるのだが、このあたりの伏線の回収はじつにみごとである。
物語は第6巻以降大きく展開してくると予測されるので、未読の方は、この第5巻の時点で追いついておいてほしい。

ちなみに、本作はアニメ化も進行中である。
放送日などの詳細は未定だが、じつに楽しみなことである。



<文・廣澤吉泰>
ミステリマンガ研究家。「2016本格ミステリ・ベスト10」(原書房)で国内本格ミステリ座談会とミステリコミックの年間総括記事等を担当。また現在発売中の、「ミステリマガジン」(早川書房)でミステリコミックレビューを担当。

単行本情報

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