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『なぎさにて』 第3巻 新井英樹 【日刊マンガガイド】

2017/02/15


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『なぎさにて』


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『なぎさにて』 第3巻
新井英樹 小学館 ¥552+税
(2017年1月30日発売)


新井英樹が描く“世界の終わり”最新巻。
2011年にケープタウンで発生した謎の巨木。その巨木が破裂した瞬間、17万人の命が消えた。
それから4年。アフリカから人類の広がりをなぞるように世界中に生えた巨木。
狭い日本にも1236本が生え、もはや逃げ場のない状況。いつ破裂するのかわからない「豆の木」に人々は畏怖しつつ、それでも、かろうじて日常を続けていた。

そんな世界でJKライフを送る杉浦渚は、清州橋の上で名も知らぬイケメンに告白してみたものの、そのまま逃亡。2日後に再度告白するも、それは死に怯えて“何かしなくちゃ”という状態に自分を追いこむ「豆の木症候群」だと一蹴されてしまう。

大きなテーマは「明日死ぬ自分に、どんな今日を届けるの?」。
この第3巻では、渚の「私、死ぬ前にセックスしたかったんです!!」という心の叫びから幕を開ける。
恋もセックスも知らない10代のまま、世界の終わりを待つだけなんて耐えられない。
そう考える少年少女が出てくるのは、しごく当然だ。

渚は、告白相手でじつはゲイだった未来と、彼の友人で高校の先輩でもあるセクシーな詠子、渚と同じように好きな女の子に告白して玉砕した山城と4人で新宿に向かう。
カオスと化した歓楽街・新宿歌舞伎町は、絶望(豆の木)に対して希望を祈る人々であふれていた。

4人は、未来の彼氏がオーナーを務める路地裏のBARへ。
そこにはバカになることで死を楽しもうとする野獣のような男・アキラが待ちうける。
「ちゃんと生きろ 本気で生きろ
 死ぬことに本気で怯えろ」
とアジりまくるアキラに涙を流す渚。
失意のなか、彼女は否が応でも豆の木と対峙せざるをえなくなる。

新井節ともいえる泥臭いテンションが世界観とシンクロし、はたしてどのような展開で結末が描かれるのかハラハラしながらページをめくると、予期せぬ暗転が……。
いくらなんでも“終わらない物語”では納得できない。
新井先生、「何年後か見えないけど完結させます」というメッセージを信じて、気長に待ち続けますよ。



<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。

単行本情報

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