業界注目度No.1!?
「このマンガがすごい!WEB」が誇るランキング選者に協力いただくアンケート集計をもとに、決定される毎月恒例の「このマンガがすごい!」ランキング。今月のランキングは……。
オトコ編第1位は、「週刊少年チャンピオン」が送り出す新しい医療SFマンガ『AIの遺電子』。“近未来版ブラック・ジャックとの評判が多数!? いったいどんな作品なんだ!?
さっそく『AIの遺電子』の魅力と、そのほかのランクイン作品は以下の記事からチェック!
(2016年4月1日~4月30日発売作品を集計)
第1位(200ポイント)
『AIの遺電子』 山田胡瓜
『AIの遺電子』
山田胡瓜 秋田書店
人類と、AI(人工知能・人工知性)を備えた人間そっくりの「ヒューマノイド」が共存する世界。
ヒューマノイドの治療を行う“新医者”の須堂は、「須堂新医院」院長という表の顔のほかに、「モッガディート」の名で闇医者稼業にも手を染めていた。
もとはITニュースの記者だったという著者による“近未来版ブラックジャック”(単行本の帯より)。
人間と異なる存在ではありながらも、人間と同じように苦悩するヒューマノイドの描写、トラブルを解決するヒューマニズムあふれるストーリーの秀逸さは、そんな大上段のキャッチコピーも納得できるというものでしょう!
オススメボイス!
■近未来を舞台にしたSFである。医療ドラマでもあり、風変わりな心理劇でもある。人工知能やヒューマノイドの存在を前面にした設定と実体の掴めない心の重たさという抽象的なテーマとが非常によく噛み合い、そのなかに身振り手振りは小さいながらもたしかな感動が宿っている(森田真功/ライター、ブログ「Lエルトセヴン7 第2ステージ」管理人)
■ヒューマノイドを治療する「医者」の物語。人間のように悩むAIたちの様々な”人生”に寄り添う読み切り連載。内容はハートフルなものもあればどこか不安を残したまま終わるものもあって読み応えあり。週刊連載でこの読み応えの一話完結ストーリーが楽しめるのは「週刊少年チャンピオン」雑誌派としても大きなプラスです(ササナミ/ブログ「雑食商店街3373番地」管理人兼書店員)
■非常に時期を得て社会を見ている良い作品。と同時に、これがほかの何でもなく「週刊少年チャンピオン」から出ていることに考えることがあるのではないか(漫画トロピーク/謎の社会人漫画サークル)
■一話完結の方式で、毎回ヒューマノイドと人間をめぐる物語をじっくりと読ませてくれる。その発想力や作劇力に感嘆し、論理と人情がほどよくブレンドされたドラマの匙加減に魅了された(稲垣高広/ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」管理人)
■ヒューマノイドが一般的になった未来の社会の話。ヒューマノイドが一見して人間特別がつかない、という設定が秀逸。世界的な学者もAIの発展に懸念と危惧を表明する後ろ向きな状況のなかでこうした作品にトライするのは、フィクションの存在意義を考えれば極めて重要なことだと思う(happysad/「マンガ一巻読破」管理人)
■ヒューマノイドが人口に膾炙した近未来社会。人工知能を治療する医者の須堂を通して、彼・彼女たちの葛藤と「人間性」を優しいタッチで描きだしていく。光るエピソードも多く、うならされました(さすらい/ブログ「(怒りの以下略)」管理人)
■質の高いSF医療もの。ヒューマノイドを考察することは、人間を見つめるのと同じだ(卯月鮎/書評家・ゲームコラムニスト)
■言うならば、すこしふしぎなブラック・ジャック。テクノロジー面で長足の進歩を遂げるも価値観的には地続きの、半歩先の未来の寓話だ。連載が始まったとき「これは必ず勧めねばならぬ」という使命感のようなものを持ったのを覚えている。「週刊少年チャンピオン」といえば暴力・笑い・野球という人間の三大欲求に忠実な誌面づくりでおなじみだが、そのいずれにも当てはまらない骨太にして異色のヒューマンドラマだ(raven/ディレッタント)
第2位(120ポイント)
『僕だけがいない街』 三部けい
『僕だけがいない街』
三部けい KADOKAWA
身のまわりに事件や事故が起こると、その直前の時間にタイムスリップする「再上映(リバイバル)」という特殊能力を持つ売れない漫画家・藤沼悟。
2006年のある日、突然母を殺された悟は、再上映をこころみたところ1988年まで時をさかのぼってしまった。その当時に起きた連続誘拐殺人事件と母親の事件に関連性があると考えた悟は、小学生の姿のままで真犯人を追い求める。
自分の人生をやり直し続ける悟の時を超える旅路もクライマックス。
『このマンガがすごい!』オトコ編3年連続トップ10入り、連載開始当初から注目を集めていた話題作が、ついに完結!
オススメボイス!
■いよいよ待望の完結巻です。ラストの描写は印象的。『鬼灯の島』でも見せてくれた余韻を残すラストの描写は、三部先生お見事です!(東雲騎人/イラストレーター)
■終わってしまえば中身の凝縮された全8巻。長くはない連載は、一気読みをするのにちょうどいい。今まで登場人物たちが懸命にゴールに向かって走り続けた結果、手に入れることができた希望が描かれていた。この最終巻は気持ちいいくらいの大団円だった。しかし「菜々子さん的な日常」から「ラッキースケベ要素」を抜いて「サスペンス要素」をぶち込むとこんなにもヒットする作品が生まれるのかと思った(マキタマキナ/(成年)漫画愛好家)
■実写映画公開でこれからも楽しみな作品です(宮脇書店本店/コミック担当)
■ちょうどいい巻数ですっきりと終わった。前半と後半とちがう話になっていった感もあるけどもクライマックスまでの緊張と、そのあとのゆったりとしたエピローグもいい感じで締めにふさわしい最終巻であった(すけきょう/ブログ「ポトチャリコミック」管理人)
■完結は寂しいが、作品としては最終巻できれいに形になった(卯月鮎/書評家・ゲームコラムニスト)
「日刊マンガガイド」では、第4巻、第6巻、第8巻を紹介しています!
著者インタビューは、コチラとコチラとコチラ!
第3位(104ポイント)
『山と食欲と私』 信濃川日出雄
『山と食欲と私』
信濃川日出雄 新潮社
OLの日々野鮎美は、休日に山に登ることを無上の楽しみとする自称「単独登山女子」。
ランチの前にはスクワット、前日には家でお弁当を仕込む、と山中心の生活を送る鮎子の「おひとりさま」生活を描く。
シンプルな塩おにぎりや挽きたて・淹れたてコーヒーといったシンプルな食事さえおいしそうに見えてしまう本作。読んだら、ソロ登山デビューも近い!?
オススメボイス!
■割と本格的なソロ登山女子が食べる山ごはんがとてもおいしそう! 到達したものにのみ得られる至福の味が伝わってくる(太田和成/あゆみBOOKS五反田店コミック担当)
■登山ものと食ものを組み合わせた作品。「山ガール」から「単独登山女子」に進化した日比野鮎美が送る登山グルメライフ! ちょっとした山歩きの知識から肉応援団まで、かなり振り幅の広い内容になっています。取りあえず、インドアな自分でも登りたくなりました!(麻野昌三/わんだ~らんどなんば店店長)
■この季節にピッタリ!? 読むとお腹がすいてしまいます!(宮脇書店本店/コミック担当)
■当店でも仕掛け販売中。「山ガール」ではなく「単独登山女子」が贈る、山登りとグルメ! ちょっとお腹空いてきたんで山行ってきます!(竹村真志/三省堂書店 神保町本店・コミック担当)
■やはり食べ物系は強し!(有隣堂コミック王国 水野/主任)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!