マンガ『魔法少女育成計画F2P』と、アニメ『魔法少女育成計画』の展開――2人が語る「まほいく」の新たな魅力とは

――さて、今回その『魔法少女育成計画』のオリジナルストーリーによるコミック連載『魔法少女育成計画F2P』が「このマンガがすごい！WEB」でスタートしています。遠藤先生はストーリー原案を担当されているそうですが、これは以前から考えておられたものですか？　それとも、今回の連載のために新たに考えられたのでしょうか？

遠藤　今回のためにあらためて書き下ろしたものですね。もともとの発想としては、シリーズが進むにつれて、原作の話が大きくなってきたことが影響しているんです。「魔法の国」という組織の話になってきて、シリーズ初期のころの、ゲームのようなこじんまりとした感覚が薄れてきてしまった。でも、そういう路線の作品も出したいな、とずっと編集さんとは話をしていたんです。その時にちょうどコミック連載のお話をいただいたので、じゃあ、この機会にそういう話をやりましょう、ということになったんです。

――スピンオフではあるものの、作品の質としては原点回帰的なところがあるわけですね。それでいて、作品の世界もより広がるコミカライズになっている。

マルイノ　挿絵を描けないのがめっちゃくやしいですよ（笑）。それくらいおもしろい……。

遠藤　くやしかったんですね（笑）。

――マルイノ先生はキャラクター原案を手がけられているわけですよね。おかげでコミカライズオリジナルのデザインの魔法少女たちも違和感がない。

遠藤　すばらしいですよね。しかも柚木涼太先生は、かなりマルイノ先生の絵柄を忠実に再現してくださっている感じがします。

柚木先生のコミカライズにはお２人も賞賛！　かわいくてちょっと（？）エッチな魔法少女たちとシリアス展開がマンガでも充分に楽しめる♪

――この作品では「魔法の国」へのレジスタンスが物語に関わってくるとか。

遠藤　そうですね。オフィシャルな反体制派というよりは、もっと個人的な存在としてのレジスタンス。結局、下手に大義を持った反体制派よりも、自分たちが悪いとわかっていつつやる、個人的な動機の人たちのほうが怖かったり強かったりすると思うんですよ。そういう存在を描きたいです。

――これまでの『魔法少女育成計画』シリーズに登場した敵たちとは違う。

遠藤　そうですね。「魔法の国」の歪みという点で、また違う形の敵を描いていきます。

――そしてついに10月からはTVアニメの放映がスタートします。現時点でのご感想はいかがですか？

遠藤　すばらしい出来になりそうな手応えがありますよ。スタッフのみなさんは非常によく作品を理解してくださっていて、ありがたい話です。内容は1巻がベースになっていますが、そこに短編集の内容を加えて……という形です。

――オリジナル要素はご提案されていますか？

遠藤　そういうのは、こちらからはほぼないですね。オリジナルシーンは基本的にアニメのスタッフのみなさんからご提案いただいています。本当に作品を深く読み込んでいただいていて、感謝するしかないです。

――アニメのキャラクターデザインのご感想はいかがですか？

マルイノ　「本当にありがとうございます」という言葉しかないです。ごちゃごちゃしているデザインをうまくアニメ用のデザインに落としこんで、かわいらしく描いていただいていて。とてもうれしいです。

遠藤　マルイノさんは最初、PVで動いている『魔法少女育成計画』を見た時はどうでした？

マルイノ　バッチリですよ！　衣装をうまく活かしながら動かしていただいているので、うれしかったです。

――ここからまた『魔法少女育成計画』が広がっていくのが楽しみですね。では最後に、今後のプロジェクトの展開を楽しみにされているファンのみなさまにおふたりからひとことずつメッセージをいただければ。

マルイノ　今までずっと応援してきてくださった方も、新しくこの作品を知ってくださる方も楽しめるように、熱く、長い祭りになるようにがんばります。応援のほど、よろしくお願いします。

遠藤　これからもよろしくお願いします。『魔法少女育成計画』というシリーズをよりよい方向、よりおもしろい方向に向けていけるようがんばりますので、期待していてください。

――本日はありがとうございました。

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取材・構成：前田久