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『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』第1巻 七月隆文(作) 大谷紀子(画) 【日刊マンガガイド】

2016/07/11


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』


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『このマンガがすごい! Comics ぼくは明日、昨日のきみとデートする』第1巻
七月隆文(作) 大谷紀子(画) 宝島社 ¥640+税
(2016年7月11日発売)


恋愛小説ときたら、山本文緒の『恋愛中毒』でしょう。忘れもしない最初の一文は「恋は人を壊す」。
きゃー痺れるー☆
恋愛短歌なら佐藤真由美。「今すぐに キャラメルコーン買ってきて そうじゃなければ 妻と別れて」ですよ。
ひゃー鮮烈!
そういう趣味嗜好を持つ人間にとって、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は、少しばかり甘味が強すぎるか? いやいや、フタを開けてみると……。

本作は、20歳の男の子・南山高寿(みなみやま・たかとし)が、同い年の美少女・福寿愛美(ふくじゅ・えみ)にひと目ぼれし、運命を信じて声をかけるところから始まる物語。

愛美はもともと美少女という設定ではある。しかし、愛美にお熱な高寿の目線で描かれる彼女は、思わず読者をもドキッさせてしまうくらい、綺麗でかわいらしく描かれているのだ。
その描写からは、高寿が愛美と過ごす一瞬一瞬をとてもいとおしく感じていることがひしひし伝わってくる。愛ですなぁ。

さて、愛、といえば謎めいているのが相場なわけで。
本作にも、謎がある。それもどうやら、時間軸にしかけがあるっぽい。こうなるとがぜん気になってくるが、「『時をかける少女』的なことか? それとも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』的なことか?」と邪推しているうちに、第1巻は終わる。

初々しい2人の恋の続きも、時間軸の謎も、次巻以降におあずけだ。こんなの、続きが気になるじゃないか!
「若者が偶然恋に落ちて、結局ハッピーエンドになるやつでしょ?」みたいに思って食わず嫌いしている人こそ、読んだ方がいいっすよ。

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<文・片山幸子>
編集者。福岡県生まれ。マンガは、読むのも、記事を書くのも、とっても楽しいです。

単行本情報

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