日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『魔法少女特殊戦あすか』
『魔法少女特殊戦あすか』第1巻
深見真(作) 刻夜セイゴ(画) 田村尚也(協) スクウェア・エニックス ¥571+税
(2015年10月24日発売)
基本、愛と希望とやさしさにあふれた世界に生きている可憐でかわいい魔法少女たちが、悲惨な状況に叩きこまれると、その悲惨さがさらに際立って、じつに、よい。
そんなアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』やライトノベル『魔法少女育成計画』、マンガ『魔法少女サイト』などなどの「暗黒系魔法少女もの」の系譜に連なるマンガが本作。
かつて異世界からの侵略者と戦った魔法少女たち。
けれども彼女たちが世界を救っても、数々の社会問題はそのまま残っていて、今日も人類は貧困と紛争に苦しみ、テロの脅威にさらされている。
魔法少女ラプチャー☆あすかは、陸上自衛隊隷下の特殊部隊の一員となり、血と硝煙の世界に身を投じていく……。
原作の深見真は『ヤングガン・カルナバル』や『ゴルゴタ』などでガンアクションに定評のある作家。
近年ではアニメ『PSYCHO-PASS』の脚本でも知られ、17年公開予定の『バイオハザード』の新作映画のスタッフにも名を連ねるなどしており、ガンアクション描写は当代随一の書き手である。
そんな彼が可憐な魔法少女たちをどんな過酷な戦場にを叩きこむのか……これから先、どんどんひどいことになりそうでたいへん楽しみ……もとい心配である。
<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas