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『アンゴルモア 元寇合戦記』第4巻 たかぎ七彦 【日刊マンガガイド】

2015/11/14


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『アンゴルモア 元寇合戦記』


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『アンゴルモア 元寇合戦記』第4巻
たかぎ七彦 KADOKAWA ¥580+税
(2015年10月26日発売)


時は1274年。当時、史上最大の軍団といわれていたモンゴル帝国の元王朝は、中国南部の国家「南宋」を征伐するために、朝鮮半島の高麗と日本と友好関係を結ぶことを望んでいた。
そのため、モンゴルは高麗を服従させ、日本へは友好を結ぶための国書を送る。

しかし、当時の日本の鎌倉幕府は、元から送られてきた文書を非礼なものとして無視。
それに対し、モンゴルを統治していたフビライ・ハンは日本への遠征を決意する。
これが、こうして、現在まで伝えられる日本への蒙古襲来「元寇」への大まかな流れだ。

本作品は、そんな元寇にスポットを当てた戦記マンガ。
流刑(島流し)にあった鎌倉武士の朽井迅三郎や、迅三郎に捕らわれた過去を持つ海賊・鬼剛丸をはじめとする流人たちは、高麗のある朝鮮半島までを収めていた元に対する国境線・対馬国を収める地頭家・宗氏一族の兵となり、多勢に無勢の圧倒的不利な状況で、侵略する元から日本の国境を守ることに……。

軽快なテンポと膨大な情報量が特徴的な本作の例に漏れず、第4巻も見どころ盛りだくさん!
「銃」が戦場にもたらした衝撃や、平安時代末期の壇ノ浦の戦いで入水して落命したはずの安徳天皇の登場と、歴史を多少かじっている人間ならば「おっ!」となるものばかり。

戦況はあいかわらず絶体絶命の状況が続くものの、そんな時こそ輝く迅三郎のとっさの機転を、ぜひ見逃さないでほしい。
史実では、10日もかからず制圧されたと記録されている対馬の戦場の結末や、のちに描かれるであろう九州の戦いがどのようなものとなるのか。

今後の展開からも目が離せない。



<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
Twitter:@gakuton

単行本情報

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