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神木キュンは今年も“神ってる”!? マンガ・アニメ映画のヒットの裏には必ず神木隆之介が! 【B級ニュース】

2016/12/13


複雑化する現代。
この情報化社会では、日々さまざまなニュースが飛び交っています。だけど、ニュースを見聞きするだけでは、いまいちピンとこなかったりすることも……。
そんなときはマンガを読もう! マンガを読めば、世相が見えてくる!? マンガから時代を読み解くカギを見つけ出そう! それが本企画、週刊「このマンガ」B級ニュースです。

今回は、「俳優・神木隆之介が邦画歴代トップ3全作に出演している件」について。


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『このマンガがすごい! 2017』
『このマンガがすごい!』編集部(編) 宝島社 ¥520+税
(2016年12月10日発売)

今年も『このマンガがすごい! 2017』が発売された。

意外なランキング結果に世間は「ざわ‥ ざわ‥」としているようだが、こうした年間ランキングものが発表されると、いよいよ年末が近づいてきたと実感するのではないだろうか。
今年の様々なジャンルのランキングで大きく目を引いたのは、アニメ映画『君の名は。』の興行成績だ。8月の封切りから現在までロングラン興行を続け、先週ついに興行収入が200億円を突破。邦画の歴代2位に躍り出たのである。

『君の名は。』の主人公のひとり・立花瀧の声は、俳優の神木隆之介'16が演じて好評を博した。興収1位の『もののけ姫』では神木隆之介'01が坊役を、興収3位の『ハウルの動く城』では神木隆之介'04がマルクル役を演じており、これで神木くんは邦画の歴代トップ3すべてに出演したことになる。

まさに“神ってる”わけだ、神木だけに。

さらに来年には、実写映画『3月のライオン』で主人公・桐山零役を、実写映画版『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』では広瀬康一役を演じることが決まっており、さらなる活躍が期待される。

『3月のライオン』や『ジョジョ』に限った話ではなく、神木くんはこれまでマンガが原作の映画やドラマに出演することが多かった。
そこで今回は、神木くんと縁のあるマンガ作品を紹介していく。
「嗚呼っ、スーツ姿の似合う丸の内あたりの素敵なOL女性と夢のなかで入れ替わっているなんてことになったら、自分の全身全霊をかけて神木キュンに悶え狂ってやるのに!」とお嘆きの諸兄や、「もし神木きゅんと身体が入れ替わったらオイどうすんだよ、どこを揉むんだよ、ナニ噛み酒飲めば入れ替われんだよ!」とハッスルしがちなお嬢様方のためにお送りする「神木きゅんラブラブ萌え萌え大特集」である。


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『探偵学園Q』 第1巻
天樹征丸(作) さとうふみや(画) 講談社 ¥419+税
(2001年9月17日発売)

さて、神木くん出演作のマンガ原作といえば、テレビドラマ『探偵学園Q』が有名だ。

天樹征丸(原作)とさとうふみや(作画)のコンビは『金田一少年の事件簿』と同じ陣容である。主人公の“キュウ”こと連城究は、抜群の観察眼と推理力を持つ中学生。伝説の名探偵・団守彦が創設した探偵養成学校DDSに入学し、仲間たちと切磋琢磨して、世界一の探偵をめざす。

天才的な頭脳を持つ金田一少年が犯人と対峙する『金田一少年の事件簿』とは異なり、仲間たちがそれぞれ長所を活かしてチームワークを発揮して謎に挑んでいくところに、本作の妙味がある。
原作マンガは人気を博し、テレビアニメも放映されたが、実写ドラマ版(単発、連続ともに)で主人公キュウ役を務めたのが神木隆之介'06であった。
それまではいかにも子役感のあった神木くんが中学生になり、志田未来や山田涼介らとともにフレッシュな演技を見せてくれた。同世代の俳優たちとキャッキャしている姿は、ファン必見である。
ちなみに、現自由党の共同代表である山本太郎参議院議員もキュウたちのチンピラっぽい先輩役として出演しているので、今見るとなかなか感慨深い。


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『ドラえもん』 第10巻
藤子・F・不二雄 小学館 ¥429+税
(1976年4月25日発売)

『探偵学園Q』と同じ2006年には、神木くんは声優として『ドラえもん のび太の恐竜2006』にも出演している。

本作は劇場版大長編『ドラえもん』の第1作目のリメイク作品だ。
偶然にも恐竜の卵の化石を発見したのび太は、ドラえもんの道具「タイムふろしき」で化石になる前の卵の状態に戻し、みずから布団のなかで卵を抱え、暖めて卵を孵化させた。のび太は恐竜の子に「ピー助」と名づけ、かいがいしく世話をして育てていく。

神木隆之介'06は、このピー助の声を演じた。
神木くんがピーピーいいながらのびちゃんにすり寄っていって頭を押しつけているシーンなんかは、そのスジの人にとっては鼻血ブー必至だ。
ちなみに原作マンガは「コロコロコミック」1980年1月号から連載されたが、その冒頭部分は本家『ドラえもん』の「のび太の恐竜」(てんとう虫コミックス10巻収録)とほぼ同じ。「鼻でスパゲッティを食べる」や「あったかーい目……のつもり」などの名シーンがてんこもりのエピソードだ。
1975年に掲載された同エピソードの続きを描くかたちで、大長編第1作目はスタートしたのである。


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『桐島、部活やめるってよ』
朝井リョウ(作) やまもり三香、桃森ミヨシ、姉森カナ、
佐藤ざくり、斎藤ジュリア(画) 集英社 ¥400+税
(2012年7月25日発売)

青年になった神木くんの実写映画の代表作といえば、もちろん『桐島、部活やめるってよ』だろう。2012年に映画が公開されると、映画関係者や評論家筋から高い評価を得た。

原作は朝井リョウの同名小説で、2009年に小説すばる新人賞を受賞。2012年の映画化にあわせて、集英社「マーガレット」では同作品のコミカライズを展開した。
マンガ版は5人の作家が登場人物ひとりずつを担当する短編のオムニバス形式で、やまもり三香(代表作『椿町ロンリープラネット』)、桃森ミヨシ(代表作『菜の花の彼 -ナノカノカレ-』)、姉森カナ(代表作『ぼくらのStory』)、佐藤ざくり(代表作『マイルノビッチ』)、斎藤ジュリア(代表作『ハニー・トラップ』)の5人が執筆。

このうち映画で神木くんが演じた前田涼也のパートは、佐藤ざくりが担当した。
マンガ版は、舞台設定や衣装などは映画版にあわせているものの、人物設定は原作に忠実である。そのため映画部の涼也が好きな映画雑誌は「キネマ旬報」であり、甘酸っぱい青春映画が好き。
映画版では「映画秘宝」やゾンビ映画好きに変更されボンクラ度がグッと上がり、スクール・カーストの「下層」っぷりがきわだっていたが、あれは神木くんがじつは鉄道マニアであるというオタ気質があればこそ。
まあ、「マーガレット」と「映画秘宝」は、シャレオツなジェラートと血の滴るような脂身たっぷりのステーキみたいなものだから、さすがに食いあわせが悪いか。

映画では神木くんが親友の武文(前野朋哉)に向かって「たけちゃ――ん」と言ってイチャコラしているシーンが激アツ昇天リーチだが、佐藤ざくりのマンガ版もなかなかの激アツっぷり。


ほかにも神木隆之介'07は劇場版アニメ『ピアノの森』で雨宮修平役を演じたり、実写映画では神木隆之介'09は『20世紀少年 最終章 ぼくらの旗』、神木隆之介'14は『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』や『神さまの言うとおり』、神木隆之介'15は『バクマン。』と、マンガ原作の大作には“ほぼほぼ”出演している。今やマンガのメディアミックスには欠かすことのできない最重要キャストといっても過言ではない。

ともあれ、ここのところエンターテインメント業界は、続編とか長期連載作品が多かった。だから『君の名は。』は、若い世代が「俺たちの作品」と思えたのもヒットの要因ではないだろうか。
そうした作品を、これからのエンタメ業界を担う神木隆之介さんが演じていたことが、なんとも頼もしく感じられるところだ。

“神ってる”神木くんのロケ現場に“聖地巡礼”するのも、これからはやるのではないだろうか。
なにしろ聖地も神木くんも、縁起(演技)がいい。なんつって。



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

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