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『ばくばく!バクチごはん』 第2巻 島田英次郎(作) 高橋コウ(画) 【日刊マンガガイド】

2017/06/29


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ばくばく!バクチごはん』

  
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『ばくばく!バクチごはん』 第2巻
島田英次郎(作) 高橋コウ(画) 講談社 ¥590+税
(2017年5月23日発売)


北は札幌競馬場から、南は熊本競輪場まで全国津々浦々に点在する公営競技場=ギャンブル場。
1997年には120場も存在したが、この20年の間に閉場が相次いだ。
それでも2017年現在、37都道府県に97場点在する。

三競オートといえば、帽子をかぶって灰色の服を来たオッサンたちが選手に罵詈雑言を絶叫しているという印象をお持ちの方もいるだろう。
まぁ、それもあながち間違いではないのだが、じつはレジャー施設としても優れた一面を持っているのだ。
その最たるものがバクチごはん。
鉄火場にやってくるギャンブラーに向けた、早くて安くて満足感のあるバクチごはんは、シャバでは味わえないメニューがズラリ。

そんなバクチごはんに魅せられた少女が本作のヒロイン、新人アイドル・西の宮ひなこ(にしのみや・ひなこ)。
アイドルとギャンブル、取りあわせが悪いように思えるが、じつはギャンブル場では日々様々なイベントが催されており、アイドルやお笑い芸人が営業にやってくるのだ。
ギャンブル場の営業ですっかりバクチごはんの虜になったひなこは、デブるリスクをうっちゃってハイカロリーなメニューをかきこみ、恍惚の表情を浮かべる。

さて、第1巻ではまだ情報の詰めこみ方がこなれておらず、設定に縛られすぎていてマンガとしてのおもしろみが薄まっているように感じたが、最新第2巻に突入してガラリ一変、ぐっとコクが出てきた。

その要因は、ひなこの姉で公営競技ライター・花奈子(はなこ)の登場。
ひなこは女子高生なので酒も飲めなければ馬券や車券も買えないし、そもそも食欲優先でバクチ自体に興味がない。
しかし23歳の花奈子はズブズブのバクチ打ちで酒豪であり、骨の髄までギャンブル場を楽しめる成人女性である。
ギャンブラーじゃないけどバクチごはんを楽しみたい人の視点(妹)に、ギャンブルもバクチごはんも堪能したい人の視点(姉)が加わったことで、ようやく設定に芯が通ったのだ。

本作のおもしろいところは、食べログ的にギャンブル場内のお店を紹介するだけでなく、ひなこが独自の食べ方を指南する点。
たとえばボートレース多摩川の名物メニュー“牛炊”を取りあげるエピソードでは、先にスープを全部飲み干してからつけあせのキムチを投入し、塩コショウで味を整える“汁なし牛炊混ぜキムチ”が紹介される。
工程を見るだけで、うまいに決まっているようなものであり、今すぐにでも西武多摩川線に飛び乗りたい衝動に襲われること請けあいだ。

てな訳で、ひなこがバクつくバクチごはんにヨダレが出てきたら、コミックス片手にお近くのギャンブル場に足を運んでみてはいかがだろうか?
きっと、これまでに体験したことのない非日常が味わえますよ(バクチごはんは雰囲気も重要なスパイスなり)。



<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。

単行本情報

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