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『映像研には手を出すな!』 第2巻 大童澄瞳 【日刊マンガガイド】

2017/10/18


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『映像研には手を出すな!』

  
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『映像研には手を出すな!』 第2巻
大童澄瞳 小学館 ¥552+税
(2017年9月12日発売)


「このマンガがすごい!WEB」2017年3月ランキング オトコ編で第3位にランクインした『映像研には手を出すな!』の第2巻が早くもリリースされた。

芝浜高校に入学した主人公・浅草みどりは、アニメ制作をやりたいが、ひとりでは心細くて踏み出せない。
そんな浅草氏は、同級生でカリスマ読者モデルの水崎ツバメと出会い、水崎氏もアニメーター志望であることが判明。
儲け話が好きな金森さやかを交えた3人で、自分の考えた「最強の世界」をアニメで実現するために、「映像研究会(映像研)」を発足することになる。

JK3人がアニメ制作……といえばキャッチーな感じもするが、「設定が命」の浅草氏、絵を動かすことにこだわる水崎氏、プロデューサー気質の金森氏の3人はそれぞれが“ガチ勢”すぎるのが本作の魅力のひとつ。
第1巻では、3人が出会い生徒会に活動を認めさせるまでの映像研「ビギンズ」が語られたが、この第2巻では映像研にロボ研から「ロボットアニメをつくってほしい」との依頼が舞いこみ、いよいよ映像研が本格的な活動を開始する。

まるで迷路のような学校や、生徒たちの自由な雰囲気、主役3人の“めんどくさい”マニア気質、妄想世界へシームレスに飛びこんでいく構成など、注目すべきポイントは数多い作品だが、たとえばフキダシにパースをつけるといったフレッシュなマンガ表現も話題を集めている。
また、「動き」を表現する際に、同一コマ内に同一キャラクターの残像を描くとか、効果線を用いるといったマンガ表現特有の動的ナビゲーションをいっさい用いてない点も特徴的だ。
この影響で、本作はフィルムコミック(代表例:徳間書店が刊行するスタジオ・ジブリ制作のアニメ映画のシーンを用いたコミカライズなど)のような雰囲気をまとっていて、主題(アニメ制作)とルックの相性のよさを醸しだしている。それでいて、連続するコマできちんと「動き」を表現しているので、本作の絵はじつに「よく動く」。
日本のマンガは映像的であるといわれることがあるが、これほど「絵を動かす」ことに自覚的な作品もめずらしい。
この第2巻では、まさにその「動き」がフォーカスされている。映像研の面々がどのような「動くロボ」を描きだすのかに注目し、脳のなかで映像研のロボをグワングワンに動かしまくってほしい。
そして第2巻を通じて示唆される、アニメに必要な「音」。あたらしい仲間を予感させつつ、第3巻以降への引きとなる構成も見事。

主人公たち3人のキャラの立ちっぷりにドライブがかかり、実際に身のまわりにいたら「アイツら超めんどくさいから、映像研には手を出すな!」といいたくなること必至だが、読者として見ているぶんにはとにかくかわいらしくピースフル。
まだ第2巻。
さらなる作品世界の広がりを見せつつある今こそ、「『映像研には手を出すな!』には手を出せ!!」といいたい。



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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