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『スイようび』第2巻 汐村友 【日刊マンガガイド】

2014/11/12


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『スイようび』第2巻
汐村友 KADOKAWA/メディアファクトリー \552+税
(2014年10月23日発売)


「俺の嫁」という言葉は、オタク界隈で好きなキャラに対して時おり使われる。
その言葉を実現させるかのごとく、夢のような「新妻」像を描いた作品だ。うらやましいなこんちくしょい。

妻は、日本にやってきた国籍不詳のスイ。褐色肌の女の子だ。
彼女と日本人男性・太田学の、楽しい新婚生活が作中で描かれる。

にしたって、君たち本当に新婚なのかー!?
スイがとにかく幼い。まるで小学生のような外見、まったく話せない日本語(理解はできるらしい)、現代社会からずれた思考。子どもにしか見えない。しかし彼女が未成年ではないことは、2巻でお酒を飲んでいることからわかる。

学とスイの関係はちょっと奇妙。エッチな話は学が極力避ける。みみかき程度で焦る。これではまるでつきあいたてのカップルだ。わざわざ国際結婚したのには、なにか裏があるのではないかと邪推してしまう。
家事はきっちりこなしているものの、親子のやりとりに見えるシーンも多い。

スイというキャラクターは、「萌え」の集合体だ。異国の特別さを出すことで、キャラのかわいらしさと、「新婚生活」の心地よい部分を抽出することに成功している。
だがそれだけでは、スイはただの「萌え」のお人形さんだ。
作者は2巻で、人種が違うことによる無意識の差別問題における、スイの怒りを描いている。彼女は「萌え」のハリボテではない。強い感情を持つ、ひとりの生きた女性だ。

リアルな人間像と、メルヘンな「俺の嫁」の両方を盛り込んだことで、いい意味でいびつな作品に仕上がっている。 スイは小動物のようにキュートで、新婚生活の様子はニヤけるばかり。読んでいてじつに心地よい。同時に「俺の嫁」「萌え」という言葉の意味に、一石を投じている。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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