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『砂ぼうず』第16巻 うすね正俊 【日刊マンガガイド】

2015/02/05


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『砂ぼうず』第16巻
うすね正俊 KADOKAWA/エンターブレイン \620+税
(2015年1月24日発売)


時は文明が崩壊した未来。広大かつ不毛な関東砂漠で、ゴキブリのようにしぶとく生き抜く人類は、絶滅間近でもまだ戦っていた!
自然や人間の凶暴さが渦巻くこの世界では、便利屋と呼ばれるなんでも屋が、己の愛銃を手にせっせと金を稼いでいた……。

極悪凄腕便利屋、砂ぼうすが主人公だった第12巻までの第1章と、現在進行中の元弟子・小泉太湖、通称「小砂」が主人公の第2章で構成された本作。
その細密な描写や作者自身の体調の問題もあり、最近では3~4年に一度のペースでのコミックス発刊だったが、ファン待望の16巻は前巻からわずか1年あまりで登場だ!

西オアシス政府と南オアシス政府が泥沼の戦争を始めてから3年……。
砂ぼうずが去ったあとの凄腕便利屋「てるてるぼうず」として悪名をとどろかせていた小砂と、その弟子で超人的な力を発揮するハルク病患者の小出水満は、行方不明となった南オアシス政府幹部を救出する作戦に参加することに。

だが作戦は救出対象だった幹部の独断的な性格のせいで破綻。
小泉たちは西オアシス政府軍からの攻撃に加え、ハルク病を発症して凶暴化したハンターの水崎に「小砂憎し」の一念で猛追されていた。

今巻では、作戦を成功させるため、そしてなによりも依頼者かつ憧れの存在、川口夏子からの信頼が欲しい小砂は、単独でしんがりを引き受けることに。
寝不足でフラフラの小砂vsいけない薬で不安定な水崎の戦い……。だが、水崎の爆弾で地区全体が崩壊し、うやむやのまま終わってしまう。

奇跡的に救出された小砂だったが、なぜあの爆発で助かったのか?
そんな疑問が皆に残るなか、疲労で干物のようになった小砂の回復を待つ弟子の満は、身を寄せる西オアシス政府領内の村で、奴隷と化した旧友に出会うのだが……。

レプリカとして実銃が数多く登場するガンアクションとしての魅力はもちろん、どろどろの人間模様もまた魅力だ。人類みな悪人。
そんな世紀末世界の物語は、何はともあれ人間のたくましさって……。と、人間のすばらしさを再認識してしまう副産物まで備えた秀作だ!



<文・沼田理(東京03製作)>
マンガにアニメ、ゲームやミリタリー系などサブカルネタを中心に、趣味と実益を兼ねた業務を行う編集ライター。

単行本情報

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