『砂ぼうず』第1巻
うすね正俊 KADOKAWA／エンターブレイン 669

1994年の6月17日に国連総会で採択された「国連砂漠化対処条約」から、本日、6月17日は砂漠化の防止と干ばつの対策を目的とした国際デー「砂漠化および干ばつと闘う世界デー」に定められた。毎年異なった改善テーマを掲げることで、世界規模の環境問題と向き合う日だ。

砂漠化した環境をテーマにしたマンガで真っ先に思いつくタイトルといえば、うすね正俊『砂ぼうず』だろう。

文明滅亡後の日本を描いた本作は、「関東大砂漠」と呼ばれる過酷な砂漠地帯で生きる人類の弱肉強食の世界をコミカルに描いたSF活劇だ。

完膚なきまでに崩壊した世界で生活する人間たちの、ある種「開き直り」とも取れるポジティブさやバイタリティが本作の見所のひとつ。だが、本作のように開き直るしかない終末となる前に、このマンガを読んで私たちの生きる現実世界の砂漠化を止めていきたい。

＜文・一ノ瀬謹和＞
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな怪獣戦艦はキングジョーグ。