講談社漫画文庫『お天気お姉さん』第1巻
安達哲 講談社 \580+税

毎年3月23日は、世界気象機関が設けた、世界気象デー。
今年のキャンペーンテーマは、「気候への対応のための気候情報」だ。

同機関は1950年発足で、日本は1953年に加盟。世界気象デーは、発足10周年を記念して制定されたもの。
毎年テーマを設けて、気象知識の普及や国際的な気象業務への理解をキャンペーンしているが、お茶の間で気象を教えてくれる存在といえば、お天気キャスターだ。
今やテレビには、アイドル並の人気を誇る人気キャスターがずらり。ただ、マンガファンにとっては、お天気お姉さんと言えば、やはりこの人、仲代桂子なんじゃないだろうか。

仲代桂子は、タイトルもズバリ『お天気お姉さん』の主人公。民放ATVで、局の看板番組『ニュース9』のお天気コーナーを担当している美人女子アナウンサーだ。
しかしその見た目とイメージに反して、豪快にパンツを見せてみたり、奇抜な格好をしたりと、やりたい放題！　名声欲とサービス精神に満ち満ちていて、アイドルどころかカリスマ、いや、ツワモノなお天気お姉さんなのだ。

自分にたてつく者や目ざわりな者には容赦ないのも、彼女の流儀。
桂子を追い落とそうとする正統派美人女子アナウンサー・河合倫子に対しては、生放送中にかなりヘビーな羞恥プレイを仕掛ける始末だ。

しかし一方で、弱き者には優しくて、義侠心に富んでいるのも彼女の魅力。
タイトルに反して、気象の普及や理解には一役買わない（!?）マンガながら、時に嵐のような激しさ、時に快晴の清々しさを見せてくれる仲代桂子こそ、まさにいろんな意味での「お天気お姉さん」といったところだ。

＜文・渡辺水央＞
マンガ・映画・アニメライター。編集を務める映画誌『ぴあMovie Special 2015 Spring』が3月14に発売に。映画『暗殺教室』パンフも手掛けています。